2015-03-19から1日間の記事一覧

<映画は予告編からが映画>「映画の予告編から私語厳禁」に賛成?それとも反対?

影山貴彦[同志社女子大学 教授/元・毎日放送 プロデューサー] *** 筆者は映画好きである。 映画館で喋っている人間がいると、必ず注意する。少々席が離れていても、該当者の近くまで足を運んで行き注意する。小さな声で、かつ最大の効果のある、けれど…

<今どきの企業が目指す社会貢献>本業の資源を活用して身近な社会の課題解決するための様々な取り組み

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務] *** 3月末といえば、企業の決算株主総会が花盛りだが、IR資料に書かれた社会貢献活動も昨今は少々面変わりしているようだ。一昔前は、熱帯雨林への植樹だとか、どこかに井戸を掘るだとか環境関係の活動が多かった。 …

<山手線デジタルサイネージの視認率75.7%>通勤電車内のデジタルサイネージで朝ドラを観る日も近い?

岩崎未都里[学芸員・美術教諭] *** 筆者はこれまでデジタルサイネージに関して、他国との比較も含めて、いろいろと記事を書いてきました。その理由はデジタルサイネージに強い可能性を感じていたからです。 2002年にJR東日本の山手線E231系で導入された…

<「仕事を紹介しない」が入社の条件?>作家養成講座では文筆家になれない本当の理由

高橋秀樹[放送作家] *** 筆者は、日本放送作家協会の主催する作家養成スクール「藤本義一・市川森一記念 東京作家大学」の講師に就任することとなった。先日、その入学希望者に対する模擬授業があった。筆者が講義するの科目は「Webライティング」であ…

<必要なものだけ残した無駄のない芸術>歌舞伎役者・坂東玉三郎が演出するダンス舞台「バラーレ」で目指したもの

熊谷信也[新赤坂BLITZ初代支配人] *** 歌舞伎役者・坂東玉三郎が演出するダンス舞台「バラーレ」を見た。 赤坂ACTシアターに登場したダンサーは日本を代表する「DAZZLE」(ダズル)というストリートダンス・パフォマーの若い男性9名。彼らは1996年の結…

「アメトーーク」は「何か褒めている回」はつまらなくて「何かをバカにしている回」がおもしろい。

高橋維新[弁護士] *** テレビ朝日「アメトーーク」は、回によって当たり外れが激しいという評判をよく聞く。 筆者が毎週「アメトーーク」を見るようになったのは2014年の年末スペシャルからだが、おおむね、当たり外れが激しい原因はつかめた。 まず、…

<一人で複数世代を演じる香川照之の独壇場>最終回直前!TBSドラマ「流星ワゴン」は香川照之を乗せてどこへ行く?

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 「あなたには、過去をやり直したいと思ったことがありますか?」 TBS日曜劇場「流星ワゴン」は、重松清の同名のベストセラー小説のドラマ化。「家庭とは?親子とは?」を問うファンタ…

<千葉県浦安市が「卵子凍結」に公的助成>少子化対策で「健康な女性の卵子の凍結保存」は順序が違う

山口道宏[ジャーナリスト] *** 千葉県・浦安市議会で先ごろ、卵子凍結の助成を決定した。その額は。3年間で9000万円だという。 将来の妊娠と出産に備え健康な女性の卵子を凍結保存するという施策だ。それを浦安市では、市内居住の20~34歳女性を対象に…

<TBS「ウロボロス」は禁断の場所>撮影の裏側をバラす副音声=「ウラバラス」がおもしろい

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** ドラマ本編に、出演者自身が「ツッコミ」を入れたり、撮影の裏話をしたりする声を副音声で流す手法は、実は先にフジテレビが『ファーストクラス』(2014/主演・沢尻エリカ)において、やっている。 『ファ…

<こんな病院はイヤだ!>2才児死亡事件から見える東京女子医大病院の杜撰な管理と緩すぎるコンプライアンス/ガバナンス

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** 群馬大学病院のある医師による腹腔鏡手術で8人の方が亡くなり、同じ医師の開腹手術でも10人の患者さんが亡くなった疑いがあるという事件。もちろんこの医師個人に問題があることは確かでしょうが、そ…

<「やりたいこと」と「ニーズ」は異なる>コンサルタントが考える起業のポイントとは?

尾藤克之[経営コンサルタント] *** 先日、女子高生起業家の椎木里佳さんが紹介されている番組を見た。高校生で社長。中学3年生の時に、女子中高生をターゲットにした商品開発をおこなう株式会社AMFを設立。 目ざましアプリ「JKめざまし」が話題になり、…

<視聴率6.6%の惨敗番組に寄せられた賛辞>TBS「私の街も戦場だった」が物語る今のテレビの現実

高橋秀樹[放送作家] *** 筆者は、3月9日TBS系で、夜9時~11時4分放送の「戦後70年 千の証言スペシャル『私の街も戦場だった』」の構成を担当した。視聴率は6.6 %であった。結果から言えば、惨敗である。客観的に見ても、番組のクオリティは高かったと思…

<必要があればこれからも縛る?>北区・高齢者拘束「虐待」事件に潜む高齢者医療現場の暗部

山口道宏[ジャーナリスト] *** 認知症患者の拘束は虐待。これまでには刑事事件に至るケースもあった。 この2月に東京都北区の高齢者マンションで発覚した、入居の認知症患者ら20人をベッドに拘束していた事件。身体をベッドに固定、脱げない服を着用さ…

めちゃ×2イケてる」のシンクロナイズドテイスティング企画は賞味期限が切れている

高橋維新[弁護士] *** フジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」の「シンクロナイズドテイスティング」という企画は、目をつむって料理を食べ、何の料理かを全員が当てられないと、氷水に落とされるというベタで古典的なゲームである。 表面上の見所は、芸人た…

<日本のお笑いの原点「落語」を英語で>落語を今に生きた芸能として海外にも積極的に届けよう

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務] *** 昨今では春風亭一之輔が春風亭ぴっかりをつれて果敢に落語欧州公演を実施していたが、それ以前から落語も世界進出をぼちぼちしている。今までは主に在外法人向けのごく普通の落語会を単に現地でやるというものだ…

<困るのはどこのテレビ局?>大橋未歩アナ『チャージ730!』で朝番組に参戦するテレビ東京の戦略

高橋秀樹[放送作家] *** 「まずいぞ」と思った。 それを確認したのはスポーツニッポン芸能面の小さな記事からであった。 テレビ東京の大橋未歩アナがMCを務める番組『チャージ730!』(月~金 朝7:30~8:15)が始まるという。これは同局の報道局が手…

<司馬遼太郎を超えた!?>関ヶ原合戦「敗軍の将・石田三成」が兵を語る話題の歴史小説が面白い

貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー] *** 「敗軍の将、兵を語らず」と言いますが、岩井三四二さんの新刊「三成の不思議なる条々」(光文社)は、関ヶ原の合戦で西軍を率いた石田三成の挙兵の真実にせまる、ノンフィクション風の歴…

<映画として面白いことを優先するということ>「アメリカン・スナイパー」は礼賛でも反戦でもない戦争映画

高橋秀樹[放送作家] *** 1955年生まれの筆者の世代にとって、クリント・イーストウッドは西部劇のガンマンを演じる役者である。 『ローハイド』(1959〜1965・米CBS) 『荒野の用心棒』(1964・セルジオ・レオーネ監督) 『夕陽のガンマン』(1965・セ…

<主人公は非モテ系男女>フジテレビ「デート〜恋とはどんなものかしら〜」は現代のトレンディ・ドラマだ

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 杏である。長谷川博己である。なんたって、「フジテレビの月9」である。「デート〜恋とはどんなものかしら〜」は今季一番といってよいほどの面白さをみせている。 脚本は、映画「ALWAY…

<映画「アメリカン・スナイパー」に見る職人気質>現在のテレビ界が陥っている病をどう克服すべきか?

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** テレビの番組作りにとって現実感は非常に重要なファクターだ。バラエティーにしてもドラマにしても、勿論ノンフィクションにしてもそれが「起こりえることだ」という現実感があることが興味を惹く重要な要…

<TBSでドラマ化する「赤めだか」の次?>立川談春の新作落語と「文章修行」の行方に注視

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務] *** 立川談春は能筆の多い立川流の中でもかなり文章の達者な一人である。一作目にして講談社エッセイ賞を受賞した「赤めだか」は、才人・立川談志に、高校中退した若者(談春)が弟子入りしてから二つ目になるまでの…

<「特撮愛」は日本独特の文化>「ゴジラ」も「惑星大怪獣ネガドン」も着ぐるみに見えることが重要

岩崎未都里[学芸員・美術教諭] *** 先日、筆者は新宿で突如巨大なゴジラを目の当たりにし、かなり驚かされました。 「新宿歌舞伎町で建築中『新宿東宝ビル』屋上に、地上52mに原寸大のゴジラ頭部『ゴジラヘッド』が登場!」のニュースを、その後に読ん…

<戦闘機のカメラに記録された70年目の空襲映像>佐藤浩市が願う「日本が未来永劫戦後であるために」

高橋秀樹[放送作家] *** 「できる人」たちと仕事をするのは実に清々しいことである。 TBS 系で3月9日(月)よる9時~11時4分放送の「戦後70年 千の証言スペシャル『私の街も戦場だった』」の構成を筆者が仰せつかった。 チーフ演出の沈思黙考派にして行…

<日本テレビ「学校のカイダン」の魅力>女優の階段を登り始めた広瀬すずの演説の力に注目

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 「強い者にとって、学校は楽園。でも、弱い者にとっては、そこは地雷だらけ。戦場だ。」「もし少しでも動いたら標的になる。その時には戦って、すべてをぶち壊せ!これは世界で一番弱…

<なぜaikoのライブは女性が多いのか?>初音ミクが男女ともにウケている本当の理由

高橋維新[弁護士] *** 世の中には、女性の片思いを主題にした歌がいくらでもある。 AKB48にはこの手の歌が多い。「ヘビーローテーション」「フライングゲット」「恋するフォーチュンクッキー」全部そうである。作詞は全て秋元康なので、「おっさん」が…

<大腸ガンは治る時代>手術後5年の生存率90%でも死亡者が多い理由は「患者の姿勢」

松井宏夫[医療ジャーナリスト] *** 今年1月に国立がん研究センターを中心とするグループが、驚きの調査結果を発表した。なんと大腸がんの手術を受けた患者の5年生存率が90%を超えたという。 調査対象はステージ(病期)ⅡとステージⅢ。ステージⅡはがんが…

<マツコより大島優子より佐藤浩市が面白い>即興芝居「鶴瓶のスジナシ」佐藤浩市の見事なギャグ

高橋秀樹[放送作家] *** 3月2日、赤坂BLITZにて「ライブ・ビューイング『鶴瓶のスジナシ』」劇場版(3月2日〜4日)を観た。 「スジナシ」(TBS)とは、ホストの笑福亭鶴瓶さんが、ゲストと一つのセット内で即興ドラマ(2人芝居)を十数分間演じ、収録し…

<TBSドラマ「まっしろ」>絶妙なキャスティングの木村多江とナースの階段を登る堀北真希の距離に注目

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 堀北真希主演のTBSドラマ「まっしろ」は、病院を舞台に、上下関係や派閥争いに巻き込まれる看護師たちの姿を描いたコメディ。脚本は、ヒットメーカー井上由美子(最近では「昼顔」、「…

<2015年のF1を楽しまなきゃ損>アジアの一企業が世界最高峰モータースポーツへ参戦する意義と誇り

岩崎未都里[学芸員・美術教諭] *** いよいよF1にホンダエンジンが帰ってきます。 2月10日、本田技研工業の伊東社長はジェイソン・バトン等と今期F1へ「マクラーレンホンダ」としての参戦記者発表会見を行いました。2000年のBAR・ホンダのF1参戦時に、お…

<ゲイは同性婚をこう考える>妻子持ちの男性を好きになった時、彼の幸せを願う自分がいる。

YASU-CHIN(ヤスチン)[ダンサー/六本木ビザール・ショーリーダー] *** エンターテインメントの世界では、ゲイやレズと呼ばれる同性愛者たちが、他の業界よりも多く活躍しているように思う。筆者自身がそうであるし、また、一般的に見てもダンサーやパ…