NHK朝の連ドラ「まれ」が出してきた「主題歌の歌詞募集」という変化球

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 中島みゆき、絢香、ゆず、HY、SMAP、椎名林檎、平原綾香、いきものがかり、aiko、アンジェラ・アキ、竹内まりや。 さて、共通点はなんでしょう。 ご覧になっている方には言わずもがな…

<クローズアップ現代・出家詐欺事件の本質>テレビディレクターが読み解く「過剰演出」と「ヤラセ」の境界線

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー] *** ラーメン屋さんのロケで店員さんに、 「合図をしたらラーメンをテーブルのこのあたりに置いてください」 とお願いしただけで、周りから「あっ、ヤラセだ!」と揶揄されるなんていう経験は制作者なら…

<2015年春ドラマPart5>13年ぶりにドラマ化「アルジャーノンに花束を」に感じられる「ドラマづくり」の志

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** ◼︎ 名作の掘り起こし TBS金曜22時~の「アルジャーノンに花束を」は、50年も前に書かれたアメリカの作家ダニエル・キイスの同名小説が原作のドラマだ。アラフォーの筆者がこの小説の存在を知ったのは、高校…

<2015年春ドラマPart4>テレビドラマは誰のために何のために創るのか?

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** 誰のために、何のために? 何を伝えたくて? 誰のために、何のために。誰に何を伝えたくて、このドラマは作られているのか。 その答えは、作り手によって千差万別であっていい。でも、それが曖昧になった時…

<ドラマ「Dr.倫太郎」が第3回目にして停滞?>物語が前に進まない連続ドラマは見るのが辛い

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 「Dr.倫太郎」(日本テレビ系)の3回目を見た。 堺雅人が天才精神分析家という役を演じているからである。 しかし、3回目にしてドラマは止まってしまった。連続ドラマなのにストーリーが前へ進まな…

<次に関西で天下を獲る人?>全国ネット「アウトデラックス」で見た全て

影山貴彦[同志社女子大学 教授/元・毎日放送 プロデューサー] *** 4月30日の放送の「アウトデラックス」(フジテレビ、木曜23時~放送)を見た。 そこで関西の重鎮と紹介されていた円広志さんは、全国ネット用のハイテンションであった。東京と関西の…

安倍晋三首相:米議会上下両院合同会議の演説は「スピーチライター・谷口智彦氏」の存在に注目したい

岩崎未都里[学芸員・美術教諭] *** 安倍晋三首相の米議会上下両院合同会議の演説が話題になっていますが、注目すべきは演説の内容そのものよりは、原稿のスピーチライターである内閣官房内閣審議官の谷口智彦氏の存在です。 谷口氏は、「日経ビジネス」…

<2015年春ドラマPart3>火曜22時枠はTBSの『マザー・ゲーム』の圧勝か

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** ◼︎「真逆」 キャラ ドラマにおいて、主人公と「真逆」のキャラを登場させるのは、共感を呼ぶのにもっとも手っ取り早い手法の一つであろう。フジテレビの水曜22時『心がポキッとね』は、真逆キャラのオンパ…

<2015年春ドラマPart2>フジ『戦う!書店ガール』はなぜ「うざい」のか?

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** フジテレビ火曜22時の『戦う!書店ガール』は、初回と第2話のクオリティに落差がありすぎた。このドラマは初回から視聴率が低迷気味であったが、これについては、まゆゆがウザすぎて、ガマンしきれずに途中…

<2015年春ドラマPart1>フジ「戦う!書店ガール」VS TBS「マザー・ゲーム」は女の共感の戦い

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** キムタクがお父さんやっちゃった! 半沢直樹が今度は精神科医だってよ! 優子が、まゆゆが、山Pが! 春ドラマが始まって、はや数週間。ネットでは毎日のように、ドラマについての投稿を見かける。アラフォ…

<なぜやめないの?>「視聴率が取れないテレビ番組」でも放送される理由

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 筆者が実力を認めている若いテレビ・ディレクターに言われて、ハッとしたことがある。 「この内容の番組じゃ絶対、数字(視聴率)取れませんよねえ」 扱う素材がそもそも、視聴率が取れないと言う…

<「戦後70年談話」こそ野党にはチャンス>戦後50年は村山、60年は小泉。70年は野党が繋ぐ?

山口道宏[ジャーナリスト] *** 今から70年前のこと。第2次世界大戦で我が国「同胞」は310万人が死んだ。最後には世界初の被爆国となり広島で20万人、長崎で15万人が死に、少し前の東京大空襲では10万人が死に、戦争終盤の沖縄では「本土」も経験しない…

<家庭用ゲームのスマホ移植の可能性>スマートフォン版ファイナルファンタジー13をやってみた

八坂亮[ゲームクリエイター] *** 先日、スマートフォン向けのアプリとして「ファイナルファンタジー13」(以下、FF13)がリリースされた。もちろん、すぐさまダウンロードして遊んでみた。 ■率直に「素晴らしい」 FF13といえば、PS3で発売されたゲーム…

<分かってない出演者は誰?>「さんまのお笑い向上委員会」が体現する「笑いの様式美」

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** この人たちは、ちょっと疲れたくらいの方が面白い。 新人の芸人を迎えて、その芸の向上を図るというのが設定のフジテレビ「さんまのお笑い向上委員会」。司会の明石家さんまの前にひな壇。ひな壇に…

わずか一期でNHK理事を退任した元ディレクター氏の「言わざるを得なかった挨拶」

メディアゴン編集 *** メディアゴン編集部は、わずか一期でNHK理事を去ることになった元ディレクターの退任挨拶を多大な共感を持って採録する。 以下である。 「公共放送NHKは、戦後初期の理想の時代が生んだ素晴らしい存在、残すべき価値のある公共財だ…

<ニコニコ超会議2015に出演>地方自治体こそニコニコ超会議に学べ!若者の政治参加や関心を引き出すネット利活用

水野ゆうき[千葉県議会議員] *** 統一地方選が終わった。どこの地域も低投票率に悩まされ、新人や無所属には厳しい選挙が行われたのが今回の選挙である。 筆者もまさに今回の統一地方選に挑戦した張本人である。筆者は、千葉県我孫子市議を辞任し、前半…

DJに興味がない濱口優がDJになりきってカッコつける岡村隆史をバカにする「めちゃイケ」の企画は中途半端

高橋維新[弁護士] *** 2015年4月25日放映のフジテレビ「めちゃ×2イケてる」は、岡村隆史のDJ(ディスクジョッキー)としての活動に密着するという体のドキュメンタリーコント(ドキュメンタリーのようなコント)である。 番組では、岡村が、DJ KOO・ふ…

アンチ安倍晋三首相を攻撃するネトウヨは嫌いだけど、安倍さんのことはみんな大好き?

保科省吾[コラムニスト] *** 安倍晋三首相は、実はみ〜んなに好かれている。 「そうでもないだろう」という人は大きな勘違いをしている。たとえば世論調査。安倍内閣の支持率は57%で(4月3~5日読売新聞調査)不支持率は35%だったけれど、支持か不支…

<原案作者は誰?>堺雅人「Dr.倫太郎」の精神分析は誰が監修しているのか?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事/社会臨床学会会員] *** 筆者は精神科医の隣接領域を専門とする者として、そしてテレビマンの一人として「Dr.倫太郎」(日本テレビ)の第2回を見ました。連続ドラマを「連続で見る」のは久しぶりですが…

<敦賀原発は生け贄か?>フィクションのドラマや漫画でもありえない「廃炉アリバイ作り」

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** まずは以下のような状況を想像してほしい。 あなたは会社でAさんとの不倫を疑われている。 それについて、社内調査が行われた。 あなたは、自分が無実であることを一所懸命に説明してきた。 だが、社…

ドラマ「Dr.倫太郎」の原案小説「セラピューティック・ラブ」は堺雅人を想定して書かれた小説?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事/社会臨床学会会員] *** 日本テレビ木曜夜10時から放送の堺雅人主演「Dr.倫太郎」で、原案とクレジットされる小説「セラピューティック・ラブ」(治療的な愛とでもいうような意味か)を読んだ。著者は清…

<自民党がNHKとテレ朝の幹部を呼びだす珍事>海外メディアも指摘する日本マスコミの不甲斐なさ

山口道宏[ジャーナリスト] *** 「デンパとジンジを握ったら誰だって面白いようになんでもできるさ」 とは、旧知のある官僚の話だ。現政権は、内閣官房長官が元・総務大臣でデンパ(電波)を知り、念願の官僚人事も人事院から内閣官房へ移行させたことで…

上西小百合議員に「誤報」といわれた「とくダネ!」は事実関係をはっきりさせた放送すべき

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー] *** テレビでの放送上のミスはたくさん起こります。 もちろん、ミスをなくそうといろいろな手を打つのですが、人間のやることでノーミス100%は難しいものです。それにしても・・・です。4月8日朝の日本…

<小さい病院では保険適用外?>うつ病の誤診を減らす「光トポグラフィー検査」に前向きな取り組みを

松井宏夫[医療ジャーナリスト] *** 「光トポグラフィー」をご存知だろうか。 これは精神科に多い「うつ病の誤診を減らす診断補助の医療機器」と支持されているものである。これが先進医療となり、日本では精神疾患のうつ病の診断がグンとレベルアップし…

<高齢者向けの英・芸術プログラムが紹介>認知症の高齢患者でもエンターテインメントで成長する

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務] *** 先日、都内でブリティッシュ・カウンシル(イギリス政府により設立された公的な国際文化交流機関)が高齢者向けの芸術プログラムを実施している英国の10余の団体(美術館や劇場など)を招聘し、先進事例紹介をす…

<明石家さんまの新番組は次回が勝負?>新番組『さんまのお笑い向上委員会』はどこを笑えば良いのか?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 4月18日土曜日、夜11時からのフジテレビ系新番組『さんまのお笑い向上委員会』を見た。 「さんまさん、どこを笑えばいいんですか?」 それが、30分間、番組を見終わった時の偽らざる筆者の感想であ…

<「未公開映像集」がつまらない理由>本編よりは面白さに劣る映像で構成された「めちゃ×2イケてる」

高橋維新[弁護士] *** 4月18日に放送されたフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」(以下「めちゃイケ」)は、前回のテスト企画の未公開映像集であった。テスト企画の次の回には恒例となっている企画である。 まず騙されてはいけないのは、「未公開映像集」…

<マスコミは「マスゴミ」ではない>安倍批判をしつつも安倍首相主催の「桜を見る会」に出席してコメントをしない爆笑問題

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 4月17日(金)・18日(土)・19日(日)は、テレビ、自民党、安倍政権にとって注目すべき出来事があった。 まず、17日は自民党(政府ではありません)が、テレビ朝日と、NHKの経営幹部を呼んで異例の事情…

<学校の休み時間のような状態?>「アメトーーク」はもはやトーク番組ではない

高橋維新[弁護士] *** テレビ朝日の「アメトーーク」について、筆者は、トーク番組というより総合的なバラエティ番組と捉えた方がしっくりとくる、と考えている。 さて、先日(4月2日)放映された3時間スペシャルの回は、 勉強しまくった芸人 パクりた…

<全戸避難の被災地に人を呼び戻す>福島県南相馬市・原発から20 km圏内の「旧・警戒区域」で起業した人がいる

小鷹昌明[南相馬市立総合病院・神経内科専門医/医学博士] *** 被災地には、「厳しい状況だけれども、とにかく機会を与えられたのだから行動しよう」という人、「なぜ、被災者である自分が、条件の整わないなかで無理を押してまで行動しなければならな…