<大衆的落語の挑戦>「志の輔らくご」は落語を超えたエンタテイメントになりうるか?

齋藤祐子[文化施設勤務]

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立川志の輔の勢いが止まらない。

売れっ子と呼ばれるようになって久しいが、都内で1カ月連続公演を成し遂げて以来、どこでもチケットは売出後、またたくまに完売する状況が続いている。こうなると落語公演と言うより、大物ポップスアーティストの公演と変わらない。

通常の独演会以外にも、独自の工夫の演目をかけることも多い。噺を始める前に複雑な人物相関図を解説してから、本来は長い続きものの噺であるはずの「牡丹灯籠」を凝縮して1時間半程度に縮めて口演したり、「中村仲蔵」の前に1時間あまりをかけて、忠臣蔵の場を描いた錦絵をスライドで見せて、全11段をざっと解説することもしていた。 とはいえ、解説の比重が多くなると後半の落語の理解を深めるためにせよ、セミナーでも聞かされているようで落語ファンとしては物足りない。・・・・[続きはコチラ]