<私は如何にして脚本家になったか②>NHKを辞めると妻に言った時

香取俊介[作家・脚本家]

***

その①より続く)

NHKを辞めるといったとき妻が案外あっさりとOKをだしたことについて、生活が不安定になるし普通は反対するものだ、と友人たちにいわれた。「香取の奥さんは変わってるんだね」ともいわれた。

「香取は財産があって生活の心配がないから簡単に辞められるんだ」などともいわれたが、遊んでくらせる財産等があるわけもない。夏目漱石の作品の中にでてくる「高等遊民」に学生時代からあこがれていたし、遊んで暮らせる財産があったら多分就職などはせず、まずは「文学の師」(と僕が勝手に決めていた)小川国夫さんのように「世界放浪」の旅にでる。そしてさまざまな体験を積み重ね30になるころ、「作家」として立つ……などと漠然と考えていた。・・・・[続きはコチラ]