<人間たちをドキュメンタリーで描く>小川紳介監督の「映画を作る態度」「覚悟」「美学」

原一男[ドキュメンタリー映画監督]

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これまでの連載記事

 

小川プロの、というより小川紳介監督の「作品を作る態度」「覚悟」「美学」といったことに、もう少し触れておきたい。

 

山形での2大長編の内容をざっと見ていくと「ニッポン国古屋敷村」では、前半、稲の凶作の原因を探るサスペンスフルで科学映画的な展開。一転、後半は、村人たちの人生と生活とを描いていく。炭焼き、養蚕などの労働の本質についての微に入り細を穿った老人たちの語り。

 

「1000年刻みの日時計」では、村の昔話=民話、道祖神の発掘から縄文遺跡の発掘へと広がり、200年以上も前におきた一揆の、村人たち総出演による再現劇。そしてラスト、やはり村人全員のマーチ。・・・・[続きはコチラ]