<平成というクソみたいな時代の中で>「我こそは平成のヒーローである」と名乗り出るニッポン人は、どこにもいないのか?

原一男[ドキュメンタリー映画監督]

 

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「平成のヒーロー探し」の一環として完成させた映画『結い魂ーゆいごん』。この超満員の上映会場で、私は、懸命に口説いた。口説きながら私の中で、おぼろげながら、ある方向性が見えてきたような感じがし始めてきた。

 

ニッポン人の一人ひとり、自らがヒーローたり得る生き方を求めて、自己改革を遂げようとしないかぎり、この閉塞状況はうち破ることはできない、と。

 

繰り返すが、昭和の時代、私は、「突出した個=スーパーヒーロー」と出会い、そして、映画化をしてきたわけだが、それは「突出した生き方」を受け入れる余裕が、時代の中にあったと思うのだ。だが、平成になって、日本はスーパーヒーローという生き方を受け入れる余裕が消失してしまった。 【続きはコチラ・・・】