<「全集」不毛の今でこそ>池澤夏樹氏の個人編集「日本文学全集」の一冊目が「自分の本」に脱帽

水留章[(株)ドリマックス・テレビジョン 代表取締役社長]

 

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最近流行らなくなったものといえば、百科事典と文学全集だろう。百科事典は最早死語に近いと思う。場所をとる、重い、使わない、と三拍子揃っている。

 

かつては書斎の王様であった平凡社の百科事典を知らない人も増えているはずだ。 おそらく現在は、大判な書籍ではなくとも、CD-ROM版やデジタル媒体で同じ百科事典もあるだろうが、形状はどうであれば、そもそも「百科事典」を利用している人を最近は見たことがない。

 

Wikipediaのような出処不明な情報の羅列などよりも、百科事典の方が悪くはないに決まっているが、それでも買わない。デジタル版であったとしても、ファイル容量もかなり大きくなるだろうし、ネット時代の今、新しい用語のアップデートを繰り返してゆくとしても、そのスピードが到底、編集作業に間に合わないということも原因の一つのように思う。【続きはコチラ・・・・】