<期限切れのトリックスター・桑田佳祐>勲章をポケットから出し、紅白で平和の歌を歌ったことに「謝罪文」を出す悲しさ

高橋秀樹[放送作家]

 

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トリックスターを「秩序を乱すいたずら者」と定義してみる。すると、メディアにはこの「トリックスターが現れては、消え」を繰り返していることに思いが至る。

 

たとえば、小説界のトリックスターは、筒井康隆さんだった。「アフリカの爆弾」はアフリカの未開民族が、ミサイルを手にしたらどうなるかと言う小説だ。直木賞の候補にはなったが獲れなかった。獲れなくてよかった。獲れないからこそファンは熱狂した。筒井さんは「小説の秩序」を壊した。壊す者を、時に人は熱狂を持って迎える。【続きはコチラ・・・・】