<漫才師というのは悲しい職業である>日本放送作家協会理事が又吉直樹『火花』を読んでみた

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]

 

***

 

又吉直樹の「火花」(文學界文藝春秋社)を読んでみた。

 

文學界」などという純文学誌を買うのは何年ぶりのことであったろうか。又吉のデビュー中編という表紙の惹句を見たとたん手にとっていた。なんだか、気持ちがざわざわした。又吉が書く純文学に。

 

買ってはみたもののしばらく手がのびなかった。純文学で面白くなかったら落ち込むからだ。そうこうしているうちに、あの売れない雑誌の代表のような文學界が、増刷になった。又吉の小説が載っているからだ。また、あれよあれよと言うちに中編なのに単行本化された。そろそろ読まねばなるまい。 [続きはコチラ・・・]