<分かってない出演者は誰?>「さんまのお笑い向上委員会」が体現する「笑いの様式美」
高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事]
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この人たちは、ちょっと疲れたくらいの方が面白い。
新人の芸人を迎えて、その芸の向上を図るというのが設定のフジテレビ「さんまのお笑い向上委員会」。司会の明石家さんまの前にひな壇。ひな壇には前列下手(テレビに向かって左)から今田耕司、太田光(爆笑問題)、堀内健(ネプチューン)、土田晃之、児嶋一哉(アンジャッシュ)。後列には秋山竜次(ロバート)、飯尾和樹・やす(ずん)、澤部佑(ハライチ)が並ぶ。
一回目はこれら先輩芸人のギャグの出し合いで終始した。それなりにおもしろいが、ジャズのセッションで言えば「A列車で行こう」をやっているのに、アドリブのメロディばかりが出てきて、本来のメロディが聞こえてこない状態だった。
井上陽水を聞きに行ったのに、知らない曲ばかりやる状態。あるいは中学生の物理の授業で相対性理論の授業が行われている状態とでも言おうか。【続きはコチラ・・・・】