<2015年春ドラマPart2>フジ『戦う!書店ガール』はなぜ「うざい」のか?

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)]

 

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フジテレビ火曜22時の『戦う!書店ガール』は、初回と第2話のクオリティに落差がありすぎた。このドラマは初回から視聴率が低迷気味であったが、これについては、まゆゆがウザすぎて、ガマンしきれずに途中でチャンネルを変えてしまった可能性がある。

 

だが、そうであれば、甚だ残念なことだ。実はこの初回、まゆゆが「ウザい」からこそ、彼女の一途さに触れたとき、ハッとするのだ。

 

この脚本は秀逸だった。稲森さんが「ハッ」としたのとまったく同じ目線で、稲森さんと同世代の視聴者もハッとさせられたのだ。若かった頃の一途な自分を、新人の頃の仕事へのひたむきな情熱を、思い出す。いつしか、周囲の顔色を読んで、小さくまとまってしまっていた自分に気づく。そんな「ハッ」が、強い共感を呼ぶ気がした初回だった。【続きはコチラ・・・・】