<2015年春ドラマPart5>13年ぶりにドラマ化「アルジャーノンに花束を」に感じられる「ドラマづくり」の志

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)]

 

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◼︎ 名作の掘り起こし

 

TBS金曜22時~の「アルジャーノンに花束を」は、50年も前に書かれたアメリカの作家ダニエル・キイスの同名小説が原作のドラマだ。アラフォーの筆者がこの小説の存在を知ったのは、高校生の時。

 

BOOWY解散後(1981〜1989)、ヴォーカルの氷室京介が初のソロリリースしたアルバムファーストアルバム「FLOWERS for ALGERNON」(1988)の収録曲に、「DEAR ALGERNON」という曲があった。静かで、どこか懐かしい響きを持つこのバラード曲は、氷室が小説「アルジャーノンに花束を」を読み、書きおこした曲であると、ラジオで知った。

 

主人公に向かって思わず曲を書きたくなるほどの小説とは、いったいどんな作品かと興味をひかれ、本を手にした。アルジャーノンは主人公ではなく、実験動物のハツカネズミであった。小説を読み、感動にうち震えて泣いた。氷室の歌声が、心に響いてきた。【続きはコチラ・・・・】