創造するためには「もやもや」から逃げてはいけない – 茂木健一郎

茂木健一郎脳科学者]

 

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夏目漱石が、『吾輩は猫である』や『坊っちゃん』といった初期の作品を書くことによって救われたことに、創造をめぐる「自己」と「作品」の関係を考える大切なヒントがある。

 

創造者の胸には、もやもやがある。ひっかかりがある。そのような心の中のあれこれが、作品をつくることによって解消される。自分自身がより健やかになる。そこには、創造者と作品の一つの理想的な関係がある。

 

「これが気になる」、あるいは「もやもやする」という感覚は、脳の感情のシステムによるひとつつの「タグ付け」で、その下に、膨大な可能性が埋蔵していることを示すのである。作品をつくるということは、つまり、そのような埋蔵物を掘り出すことに相当する。【続きはコチラ・・・】