<円高株安と地政学リスク>日米経済協議を読み解く- 植草一秀

植草一秀[経済評論家]

 

 

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4月6日にトランプ大統領がシリアへの空爆を決定し、実行に移されたことを契機に「地政学リスク」への警戒が強まっている。とりわけ日本の株式市場では不安心理が強まりつつある。

 

ドイツの株価などはほとんど影響を受けていない。日本株価に下方圧力がかかっているのは、地政学リスクへの警戒とともに、為替市場で円高=ドル安の流れが強まっているためである。

 

「有事のドル買い」と言われることが多いが、現在の金融市場で観察されているのは円高・ドル高の進行である。

 

各種要因で米国長期金利が低下し、米ドルが下落。リスクオフの資産選択として株式から債券へのシフトが生じ、さらに、米国のトランプ大統領が「ドルが高すぎる」の発言を繰り返した。これらの事情を背景に円高日本株安の反応が生まれている。

 

米国の為替政策がドル安とドル高のどちらを指向しているのか。判断がつきかねる要因がある。財務長官に就任したムシューニン氏は「強いドルは中長期的に米国の国益」と発言している。【続きはコチラ・・・】