<完成しない二本の映画>表現者として生きようと願った自分が、今、生活者を相手に戸惑っている

原一男[ドキュメンタリー映画監督]

 

***

 

(これまでの連載はコチラ)

 

ドキュメンタリーは、出会いのメディアである。出会い方は様々だが、出会い方それ自体がドラマである。

 

2014年も終わろうとしている現在、私(たち)は、二つのプロジェクトを進行させている。

 

一つは「大阪泉南アスベスト国家賠償訴訟」を闘っている人たちを、足かけ7年かけて追っかけている。もう一つは「水俣病の現在」を、こっちは10年かけて撮影を継続している。二つとも、まだクランクアップ(撮影終了)していない。未だに完成できずにいるのは「よーしっ!撮れたぞ!」と筆者自身が納得できずにいるからである。・・・・【続きはコチラ】