2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

<なんで、これが大賞?>売れっ子放送作家が選んだ「テレビ・オブ・ザ・イヤー2014」が「笑っていいとも・最終回」

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** 太田出版のサブカルチャー雑誌「クイック・ジャパン」118号で、年に一度の恒例の座談会「テレビ・オブ・ザ・イヤー2014」を読んだ。去年2014年は「該当する大賞なし」という結論を出し…

<笑いにおける「フリ」の意義と意味>お笑いは「ボケ」と「ツッコミ」だけではない。

高橋維新[弁護士] *** 「 ボケ」と「ツッコミ」は、お笑いの専門用語の中でも、もう一般用語として広く知れ渡っている言葉であろう。広まり過ぎたので、最早専門用語ではなくなっていると言っていい。 この二語が広まったおかげでお笑いに対する理解が…

なぜ? 安倍総理も菅官房長官も翁長・沖縄県知事に会えない/会わない理由

山口道宏[ジャーナリスト] *** 沖縄県知事が昨年2014年の暮れから再三再四上京し面会を求めているというのに、安倍総理も菅官房長官も「会わない」のだという。与党内部からも「随分と大人げない」との声もあるが、ここにも現政権の「驕り」が見える。…

<「発達障害とメディア」はどこで学べる?>大学中退だけど大学院博士課程を受けてみた。

高橋秀樹[放送作家] *** 満60歳と30日になった1月30日、筑波大学人間総合科学研究科障害科学専攻を受験した。 メディアゴンでも自閉症協会に所属しているプロのライターに寄稿していただいている。それは、発達障害(自閉症スペクトラム、学習障害、注意…

<ベテラン相撲記者が読み解く白鵬の審判批判>前人未到の大記録を達成した平成の大横綱の大人気ない態度

北出幸一[相撲記者・元NHK宇都宮放送局長] *** 大相撲初場所千秋楽の翌朝は優勝力士の記者会見が恒例となっている。大鵬の持つ32回の優勝回数を抜き去り、単独で史上最多の33回目の優勝を全勝で締めくくった白鵬の会見は2015年1月26日午前10時30分から…

<原子力規制委・規制庁に適正手続と科学的説明を義務付けよ>崇高な精神論だけで具体的な実行手法は示されていない「中期目標」に疑義

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 2011年3月の東日本大震災以降、「原子力」という文字が新聞・テレビで取り上げられない日はない。だが、原子力に限らず、何を報道するかは報道関係者の胸三寸。報道関係者が関心を持たないものは、た…

<今から待たれる「『検証』の検証」>イスラム過激派による日本人殺害事件の「政府内の検証」はヤラセ

山口道宏[ジャーナリスト] *** 報道によれば、「日本人人質 政府 近く対応検証」であるという。イスラム過激派による日本人殺害事件の「事後検証」を開始するというが、これはいささか変だ。 そもそも、今回の件で「政府内の検証」とは、いわば「原発事…

<メイカーズムーブメント」って何?>ドローン(無人飛行機)も自動車も3Dプリンタで誰でもが作れる時代に。

岩崎未都里[ブロガー] *** 宮崎駿監督のアニメ映画「風立ちぬ」がノーカットテレビ初放送されます。「風立ちぬ」は、実在した航空技術者・堀越二郎(1903〜1982)が少年の頃に夢で見た、空想の飛行機がエンジンをかけ、クラッチをつなげると、空中にふ…

<見世物になったダイエットや離婚は現実ではない>今のテレビは「現実感のある誇張」の仕方を学ぶべき。

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** テレビは「成功物語」が好きだ。それはドラマでもノンフィクションでも同じである。 どんなに苦労があっても成功に向かって進んでいくストーリーを好む。テレビの中で「苦労」は、あればあるほど良いのか…

<ジブリ推薦の232冊>『ネットで「つながる」ことの耐えられない軽さ』をドワンゴ会長・川上量生はどう読むか?

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** スタジオ・ジブリの鈴木敏夫さんは以前にも紹介したように、大変な読書家である。 昨年2014年8月発売の雑誌「アエラ」鈴木敏夫責任編集号は、その意味でとてもお得な雑誌だった。色々…

<現役弁護士が観る「最後の証人」>倉科カナの座ったままの「異議あり!」は残念…だけど次回が楽しみ

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 上川隆也と倉科カナの弁護士コンビが殺人事件に挑む―。 柚月裕子の同名の小説(2010年)を原作とする法廷ドラマ「最後の証人」が、1月24日(土)にテレビ朝日で放送された。上川は、TB…

<R-1ぐらんぷり2015>今年も爆発的におもしろいネタはなかったが、それは芸人の責任ではない。

高橋維新[弁護士] *** 先日(2月10日)に開催・放送された「R-1ぐらんぷり2015」の総評を筆者なりに書いてみたい。 ① 演出について 芸人がカッコつけたりモテようとしたりしたら終わりである。 R-1は、一人芸の一番を決めようとしている。スベったらス…

<R-1でパクリネタは許せない>新人ではない芸人がなぜパクリに走るのか?

高橋秀樹[放送作家] *** 笑いで最もダメなのは人の真似である。勘違いのないように言っておくと「物まね」のことではない。「パクリ」のことである。 ピン芸人のネタ見せ番組である関西テレビ・フジテレビ系「R−1ぐらんぷり2015」を見た。驚いたことに、…

コミュニケーションとは相手のことを想像する力のことなのか。

今村彩子[映画監督] *** 1月のある日、家の近くにある朝市へ行った時のことです。朝早い時間でお客も少なく、お店の人も商品を並べて、準備をしていました。豆やワカメなどの乾物を見ていると、40代ぐらいのおじさんが笑顔で話しかけてきました。 私と…

<日本人人質事件の謎を解く>何をきっかけに日本は「イスラム国」にとっての「敵」へと転換したのか?

高世仁[ジャーナリスト] *** ジャーナリスト・常岡浩介氏の『イスラム国とは何か』(旬報社)という本が出版される。 「イスラム国」に入り、直接に取材を行ったジャーナリストは、彼とドイツ人記者の二人しかおらず、その実像はまだまだベールの中にあ…

<役者・西田敏行はこう言った>客を度外視したドラマを作る乱暴者、出でよ。

貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー] *** 毎週土曜のあさ7時30分からの「サワコの朝」(TBS系)は、「聞く力」の達人・阿川佐和子さんが各界の著名人にインタビューする番組です。トーク番組は数あれど、インタビュー番組と呼べ…

<今国会で絶対に成立する経産省の「電力関連法案」の実態>法案施行の2020年頃までに様々なデメリットを甘受する覚悟を決めよ。

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** “料金値上げ自由化”と“発送電分離”と“新しい役所の創設” ——— 筆者から言わせれば、経済産業省が今国会に提出する電力関連法案の中身とは、そういうものだ。 ごくごく一部の需要家を除き、殆どの一般消…

数あるトーク番組の中で「アメトーーク」が面白い理由は、他のトーク番組がつまらないからである。

高橋維新[弁護士] *** 「アメトーーク」(テレビ朝日)は、言うまでもなく「トーク番組」である。 最近のトーク番組で視聴者が目にする番組の多くは、主に2種類の映像によって構成されている。「VTR」と「スタジオ部分」だ。「アメトーーク」も例に漏れ…

<短すぎる賞味期限>8.6秒バズーカ「ラッスンゴレライ」はお笑いにとっては死に至る劇薬

高橋秀樹[放送作家] *** 「ラッスンゴレライ」とはやし立てるお笑いコンビ「8.6秒バズーカ」が受けている。今、世間では、これのような芸風は「リズムネタ」と呼ばれているらしいが、このリズムネタは、笑いの人にとっては「死に至る劇薬」であるように…

<積極的平和主義を再考する>なぜ安倍首相は重大な場面で強い発言をし、その後に柔らかな表現に改めるという事を繰り返すのか?

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** 前回のメディアゴンの記事「<今、メデイアがすべき大事な仕事>安倍首相の中東訪問はどのような政府の戦略のもとで実行されたのか?」で安倍首相の発言に周到さがなく、逆に「前のめりグセ」がある…

<泉南アスベスト訴訟>謝罪に来るのだから、大臣であっても原告団は気おくれするな!

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) 近江八幡市の「地域起こしのための映画作り」プロジェクトと関わっての筆者の内なる想いは、「昭和のスーパーヒーローシリーズ」ほどではなくても、やはり、人民一人一人が「我こそが…

<これまでにない遊び手と作り手の交流会>ゲーム大会とゲーム実況のイベント「闘会議」が面白い

八坂亮[ゲームクリエイター] *** 去る1月31日と2月1日の二日間、千葉県の幕張メッセでとあるゲームのイベントが行われた。その名も「闘会議」。ゲームのイベントと言えば、毎年秋に開催される「東京ゲームショウ」をはじめとした数多くのイベントが既に…

メディアゴン編集部は「翼賛体制構築に抗する声」に賛同する。

メディアゴン編集部 *** メディアゴン編集部は次の声明文(案)の趣旨に賛同いたします。 http://hanyokusan.blogspot.jp/2015/02/blog-post_2.html *** <以下、声明文サイトより転載> 声明文(案) 私たちは「ISIL」による卑劣極まりない邦人人質惨…

<カワイイとバカがテレビの多様性を奪う>テレビを席巻する「カワイイ」と「おバカ」を憂う。

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** 先日、テリー伊藤さんの「テレビ馬鹿一代」という本を読んだ。 正直、伊藤さんの本は駄作もあるし傑作のあるが、この本は本来、天才的なバラエティ演出家であった伊藤さんが、毎日新聞…

<現役弁護士として想う>「テレビに出ている弁護士」はテレビに踊らされているだけで正視に堪えない

高橋維新[弁護士] *** 昨今、テレビに弁護士をよく見かける。「行列のできる法律相談所(日本テレビ)」は言うまでもなく、あらゆるジャンルのテレビ番組に、弁護士が登場している。筆者も弁護士なので、今回は、「弁護士がテレビに出る」ことがどうい…

<今、メデイアがすべき大事な仕事>安倍首相の中東訪問はどのような政府の戦略のもとで実行されたのか?

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** [画面]車を運転する男のUP [テロップ]ロンドン 先月18日 [ナレーション]先月、二人の殺害予告が出される2日前、イスラム過激派組織“イスラム国”を支持する男が突然話を切り出しました。 [男の…

<I AM KENJI>事実が伝わらなくなった時、その事実は歴史から消される…

榛葉健[ テレビプロデューサー/ドキュメンタリー映画監督] *** これが事実なら、ただ、祈るしかない。ジャーナリスト後藤健二さんが、残虐極まりない“自称”「国家」に拉致され、亡くなられた。後藤さんと湯川遥菜さんに対する殺害予告が出されて以来、…

品性下劣な人々が「品性下劣な人々のため」に作ったのがワイドショーなのか?

高橋秀樹[放送作家] *** 人に見せたくない人間の裏側を無理やり覗こうとするのは「品性下劣」なのだろうか? 人に見られたくない人間の裏側を覗いて楽しむのは「品性下劣」なのだろうか? いささか、偏見過ぎるかもしれないが、この「品性下劣」と「品…

<どこまでがテレビが扱えるテーマなのか>テレビは終末期ケアの現場を取材できるのか?

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** テレビ番組を作る時には、真摯にテーマを取り上げなければならない場合がある。 それが人の生き死にかかわるような難しいテーマだと、笑いに落とし込んだり、深入りせずに逃げたりすることも出来なくなる…

<キャスティング?それとも企画?>死に体となった「めちゃイケ」は山本圭一の復帰で生き返るのか?

高橋維新[弁護士] *** 「山本圭一(元・極楽とんぼ)を『めちゃ×2イケてるッ!(フジテレビ)』に戻してほしい」というのは、巷間よく聞く言説である。これとセットで、「新メンバーを全部クビにしろ」という言説も盛んに喧伝されている。 山本を戻すと…