2014-01-01から1年間の記事一覧

<「伝わる文章を書く技術」の著者に聞いた>「きちんと読んでもらえれば大丈夫」という考え方に注意

尾藤克之[経営コンサルタント] *** ビジネスにおいて話の得意な人は多いと思います。ところが文章を書くことを得意にしている人は少ないのではないでしょうか。 今回は、「プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術」(KADOKAWA/中経出版)の著者であり…

ワイドショーのコメンテーターの条件は①情報を持つ人②笑いの取れる人③気の利いた人

高橋秀樹[放送作家] *** 「文藝春秋」の2014年11月号に、関西大学の社会学者、竹内洋名誉教授が「ワイドショーいかがわしさの正体〜社会が悪い、政治が悪い〜テレビコメンテーターの化けの皮を剥ぐ」と題した一文を寄せている。 内容は誠に的を射たもの…

<追悼・國弘正雄さん>人類は歴史に学んだか?國弘正雄の「分かりやすい反戦の言葉」

榛葉健[ テレビプロデューサー/ドキュメンタリー映画監督] *** 日本の同時通訳の第一人者で文化人類学者だった國弘正雄さんが、11月25日に老衰で亡くなった。84歳。 今から25年前、ある政治テロ事件が起きた時に、國弘さんと筆者は偶然、その現場にい…

<完成しない二本の映画>表現者として生きようと願った自分が、今、生活者を相手に戸惑っている

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) ドキュメンタリーは、出会いのメディアである。出会い方は様々だが、出会い方それ自体がドラマである。 2014年も終わろうとしている現在、私(たち)は、二つのプロジェクトを進行さ…

<訴訟も辞さない>現役弁護士がウルトラマンを相手に大真面目に訴状を書くとこうなる

高橋維新[弁護士] *** (本記事は、7ページの「ウルトラマン被告の訴状」を画像化していますので、見にくい場合は、「メディアゴン」サイトにてオリジナル画像で閲覧ください) <解説> 本記事は、現役弁護士の著者が、現実のメディアに溢れている様…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(28)「同じ茶の間でも『欽ドン!』と『欽どこ』では全く違う」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) テレビ朝日のリハーサル室に作ってもらった寝泊まりできるセットでテレビカメラを覗いてズームしたり、引きのショットにしたり色々していると、何回かするうち、大将(萩本欽一)はあること…

レコード大賞優秀作品賞に選ばれた唯一の演歌・氷川きよしの周到で見事な演出作戦に脱帽

高橋秀樹[放送作家] *** 演歌界からただ一人、2014年度の日本レコード大賞の優秀作品賞に氷川きよしの「ちょいときまぐれ渡り鳥」が選ばれた。大賞の候補曲である。 優秀作品賞が発表されたの翌日、筆者は氷川きよし15周年コンサートを観覧するために神…

<「マニフェスト」のチェックポイント>公約での「身を切る度」は投票先を判断する指標のひとつ

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 選挙を目前に控え、主要各党の公約において、議員や官僚にも「いかに身を切らせようとしているか」という部分は大きなポイントだ。 消費増税を求めるならば、政治・行政が自ら身を切らなければ説得で…

<APECの朝、北京の空は青く晴れていた>不都合をかき消すためには住人の生活への影響も顧みない中国

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** APEC(アジア太平洋経済協力会議)の朝、北京の空は青く晴れ渡っていました。 信じられないほどの大気汚染が常態化している街の空気を浄化するために、首脳会合などが開催される2014年11月7日~12日…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(27)「俺はリハーサル室の中に作ってもらったセットに泊まり込んだ」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 1980年代、『欽ドン!』『欽どこ』『欽曜日』とズラリ並んだ大将(萩本欽一)の視聴率30%番組。その中で、僕が作家として関わったのは、『欽ドン!』だけ。 視聴率はどんどん上がり、なん…

<番組制作の裏側でみたスターの裏話>高倉健・明石家さんま・佐野史郎・横山やすし・岡本太郎

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** ●忘れられないスターの裏話・高倉健 これはちょっと自慢話になってしまうが、筆者は30代前半に先日他界した高倉健さんと一緒に仕事をしたことが一度だけある。筆者は健さんをバラエティ…

<原寸大の日本の女子大生たち>女子大生は、涙を拭いたテイッシュをどうするか?

影山貴彦[同志社女子大学 教授/元・毎日放送 プロデューサー] *** 10月31日に、筆者の7冊目の著書となる、「影山教授の教え子が泣きにくる。~涙が笑顔にかわる京都の女子大研究室」(EARC)を上梓した。 放送マンから大学教員に転じて12年半が過ぎた…

属性と履歴だけで「自分の好み」を推測するiTunesのGenius mix機能に改めて感動?してみた

水留章[テレビ番組制作会社 社長] *** 車を運転する時に音楽を選ぶのは結構大変だ。愛聴盤が沢山ある時はある時で、全然ない時も、それはそれで選曲が大変だ。結局いつも同じものを聴くことになったりする。車を降りるときに「あっ!あれを聴くんだった…

電力自由化による「止まらない料金値上げ」の実態を指摘しない政治家とメディア

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 経済産業省は、電力会社の発電・送配電・小売の事業部門を分離分割(=発送電分離)し、電気料金の値上げを抑える規制を廃止(=料金規制撤廃)したがっている。これは“電力システム改革”と呼ばれる。…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(26)「番組を当てようと思った時は他のことをしては駄目だ」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 大将(萩本欽一)は言う。 「番組を当てようと思った時は他のことをしては駄目だ」 「全部ってたとえば何ですか」 と、僕。 「俺の仕事は番組づくりだから、仕事以外の他のことには一切運を…

<放送前のドラマ試写を見てみた>松坂桃李が演じる全盲の弁護士はどのように働き、殺人事件の謎を解くのか? 高橋秀樹 2014年11月28日(金) 2:32

高橋秀樹[放送作家] *** TBSの「月曜ゴールデン」(夜9時から)は、いわゆる2時間ドラマ枠である。この枠で、大胡田誠弁護士のノンフィクション『全盲の僕が弁護士になった理由』を原作としたドラマが、特別企画『全盲の僕が弁護士になった理由 ~実話…

32回目の優勝を果たした「一極集中の横綱」白鵬は、あと何回優勝できるのか?

北出幸一[相撲記者・元NHK宇都宮放送局長] *** 横綱・白鵬が大鵬に並ぶ史上最多の32回の優勝を果たした表彰式での優勝力士インタビュー。 「15年前に62キロの小さい少年がここまで来るとは誰も想像していなかった。この国の魂と相撲の神様が認めてくれ…

<テレビ番組制作の技術>凡庸な「美味しい」をいかに魅力的な「美味しい」に作り込むか?

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** 情報をどのようにテレビの番組にしていくのか、これはいつも悩みの種だ。 知ってもあまり価値のないものにいつまでもしがみついていてもしょうがない。かといってちょっと深彫りすれば良いものをすぐ諦め…

<選びづらい今年の流行語大賞>受賞しても出席できない小保方さん、エレキテル連合は下ネタ、レリゴーは海外

岩崎未都里[ブロガー] *** 現代用語の基礎知識選 2014ユーキャン新語・流行語大賞のノミネート語が発表されました。今回も候補語50語の中から、大賞・トップテンが選ばれ、2014年12月1日(月)に発表されます。 今年の候補語は以下のようなラインナップ…

ワイドショー革命とらえた「豊田商事会長刺殺事件」や「ビートたけし・フライデー襲撃事件」

高橋秀樹[放送作家] *** テレビのワイドショーに革命を起こしたのは1970年台の技術革新であった。今では当たり前のビデオテープレコーダー(VTR)であるが、それまで外で行われるロケーションでは、フィルムカメラが用いられていた。 その当時に、こん…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(25)「当たる番組には必ず“いい言葉”がある」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 「この番組は当たるなって感じるときは、必ずテレビ制作者のいい言葉がある」 と大将(萩本欽一)が言う。 「フジテレビでの話だ。俺はどうしても午後9時台でバラエティをやってみたかった…

<「プロ若者」って何?>なぜ、20歳の大学生は小学4年生になりすましたのか?

藤本貴之[東洋大学 准教授・博士(学術)] *** NPO法人代表の大学生が、小学4年生になりすまして、サイト「#どうして解散するんですか?」を立ち上げるも、発覚したいわゆる「小4なりすまし問題」。 「メディアゴン」において、千葉県・我孫子市議の水…

<ドラマのロケでのサイン色紙の貰い方>佐藤浩市さんにお願いした400枚以上の日付入りサイン色紙

貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー] *** 松本清張の長編ミステリー「砂の器」は1974年に野村芳太郎監督によって映画化され、その後、テレビでも5度のドラマ化がされました。謎を解く鍵になった舞台は、島根県奥出雲のJR木次線…

<沖縄の事実>基地移転問題の対立を「沖縄県民 対 日本政府」と表記したTBS「サンデーモーニング」

保科省吾[コラムニスト] *** 朝日新聞チックな報道ではあるが、決して、TBS報道局の見解からはみ出すことのない「サンデーモーニング」(11月22日放送)を見ていてちょっとドキッとした。 世の中の流れをコメンテーターと考える「風を読む」のコーナー…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(24) 「ナゼ、ダメ出しをするのか」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 「大将(萩本欽一)は『欽ドン!良い子悪い子普通の子』の時に、松居直美ちゃんに20回、ダメを出し続けたことがあります」 「あるよ、直美は14歳の中学生で歌が上手いだけで、なあんにも知…

<若者ではない「プロ若者」の是非>小4サイトねつ造事件から見る政治に関わる「プロ若者」たち

水野ゆうき[千葉県我孫子市議] *** 政治に関心を持つことが若い世代の中でトレンドになっているのだろうか。 現在、多くの20、30代の若手政治家が誕生している。同時に、政治と関わる組織や団体も増えている。筆者自身、20代で初当選し、政治家となった…

<TBS『Nのために』は第3話からが魅力>『Nのために』の「低視聴率」の原因は第2話?

黒田麻衣子[徳島テレビ祭スタッフ] *** TBS『Nのために』(金曜日22:00~)がおもしろい。 湊かなえのミステリーが原作とあって、放送前から話題になっていた。第5話までの視聴率は10%前後を推移しており、前評判のわりには数値的な結果はともなって…

本人たちは真面目にやっているつもりでも、下手くそすぎて笑えるミュージカルは「天然ボケ」である

高橋維新[弁護士] *** 「VOW」(宝島社)というシリーズ本を御存知だろうか。 ハガキ職人界隈では比較的有名な本で、「街中のおもしろいものの写真」を集めた書籍である。写真は、基本的には読者からの投稿によって収集している。 VOWに掲載されている…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(23)「スターはコント55号ではなく久米宏だ」その3

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 久米さんの人気は目論見通り瞬く間に駆け上って行った。久米さんの隠れていたた実力と、『ぴったしカン☆カン』の面白さが相乗効果を産んだからに他ならない。久米さんは『ザ・ベストテン』…

<低い費用対効果と高い消費者負担>発電量わずか3%の自然エネルギーのための「年間1兆円の補助金」は消費者

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 今の日本は、エネルギー資源を殆ど持ってない。太陽光や風力などの「自然エネルギー」をめいっぱい導入しようという気持ちになるのは、日本人として、ごく当たり前のことだ。 東日本大震災による原発…