2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

<医者にあるまじき表現>「大人の発達障害がコンサータで劇的に改善」という「帯のコピー」は見過ごせない

高橋秀樹[放送作家/日本自閉症協会・日本自閉症スペクトラム学会・日本社会臨床学会各会員] *** 広く流通しやすい新書のような媒体で、「発達障害」について証明されていない事項や非科学的であるにも関わらず「それらしく」で書かれている本が数多く…

<テレビ番組がヒットした理由>人気プロデューサーが書いた本を放送作家として冷静に読んでみた

高橋秀樹[放送作家] *** このところ、テレビ番組の制作で活躍してきた業界人たちが、次々に本を出している。 メディアゴンの執筆者である元・日本テレビのプロデューサー・吉川圭三氏(現在、ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー)も、先…

<今のテレビ番組制作に欠けているもの>プロデューサーは自分の「思い」を口に出すことを躊躇ってはいけない

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** テレビの「番組作り」をするためには、ある「思い」が先行する場合がある。 この「思い」とは、「ある時代への執着」のこともあれば、「人物」の場合もあるだろう。「場所」ということもある。ともかく、…

<琉球は「戦利品のリゾート」と「植民地」?>なぜ沖縄の「基地の土地」は返還されず、県外移転もできないのか

保科省吾[コラムニスト] *** 沖縄の基地問題は何故解決しないのか? 理由は実に単純で、アメリカ・日本双方ともに「琉球」を手放したくないからだろう。手放したくない理由には、筆者にとっては「理不尽だ」としか思えない次のような理由があると考えら…

<落語の寿命を百年延ばした立川談志>今こそ落語名人たちの業績と系譜の学術的評価を 齋藤祐子 2014年10月30日(木) 1:29

齋藤祐子[文化施設勤務] *** 大衆芸能である落語界から「文化勲章」が出たのは桂米朝が初だったが、米朝のような研究者的なセンスを持った人物はその後続いていない。やはり、大衆芸能は「今ここにいる目の前の客」に受けるかどうかの瞬間勝負。あくま…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑭ボケの7段階

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 昭和34年(1959年)、欽ちゃん(萩本欽一)は18歳のその頃、浅草の東洋劇場で、舞台の進行係から、どうにかこうにか、舞台の上の研究生になったばかりだった。劇場には、池信一・石田映二・…

<エボラ出血熱は正しく怖がろう>ハンセン病もエイズも「正しい知識の欠落」が差別を生んだ

松井宏夫[医療ジャーナリスト] *** エボラ出血熱騒動は、10月27日から「エボラ出血熱、遂に日本上陸か」とマスコミは大騒ぎ。国民の恐怖心をあおっている。 今回、水際作戦はしっかりしているか? となると、疑問がある。エボラ出血熱の疑いで国立国際…

<赤瀬川原平氏の死に想う「老人力」>若者層がある割合を超えると「戦争」や「革命」が起きる?

水留章[テレビ番組制作会社 社長] *** 永六輔さんの『大往生』(岩波新書・1994)、赤瀬川原平さんの『老人力』(筑摩書房・1998)が発売されてそれぞれ20年と18年経っています。当時から「老人」が増えていたのでしょうか。どちらも洛陽の紙価を高めた…

<想定外の機能?に注意>Facebookの機能で懲戒解雇の危険性

尾藤克之[経営コンサルタント] *** 先日、ブラック企業大賞が発表されました。ブラック企業の存在を世間に知らしめた点では非常に意義があったと思います。しかし、昨今の過剰ともいえるブラック企業批判の流れには若干の違和感を感じています。 そこに…

<安倍政権の「姥捨て政策」>自国の老人を見捨てて海外に多額の資金援助など「売国奴」の仕業

山口道宏[ジャーナリスト] *** 「安部政権の老人殺しが始まった」(「日刊ゲンダイ」2014.10.18)という。「老人イジメじゃない。もはや老人殺しだ」という見出しが踊っているが、けっしてオーバーな表現ではない。 先頃、社会保障審議会(厚生労働省)…

<ハロウィンに乗り遅れ?>クリスマスは根付き、バレンタインデーは通り過ぎ、ハロウィンは…。

リチャード・ディック・ホークスビーク[古書店経営] *** 筆者は62歳である。アメリカ・サンディエゴ生まれだが、幼い頃父が死に、3歳の頃から母の母国日本・東京で育った。 母は昨年90歳で死んだ。母の弟の叔父がいるが高齢であり、筆者と週一回くらい碁…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑬新しいツッコミの言葉を考えろ。落ちの音は「らりるれろ」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 東宝映画『雲の上団五郎一座』(1962年・昭和37年公開)は、DVDも、VHSさえ、発売されていない。 日本の笑いの歴史を振り返るにあたって、貴重なエポックメイキングの映画のはずなのだが、…

わずか86億円を節約するために小学校を35人学級から40人学級に戻そうとする財務省の愚

高橋秀樹[放送作家] *** NHKが2014年10月27日に以下の様なニュースを報じた。 「財務省は財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会で公立小学校で導入された35人学級について、いじめなどの目立った改善が見られないとして、厳しい財政状況を踏まえて40人…

<不祥事続きの自民党本部に電話してみた>テレビ局でさえあるコンプライアンス部署が自民党にはない?!

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** このところの自民党閣僚の不祥事。ちょっと腑に落ちないので自民党本部に電話をしてみました。 政治家の不祥事は昔から何度も何度もくり返され、特に自民党は学ぶには充分すぎるほど辛い経験を積んで…

<テレビマンは海外ロケで鍛えられる>撮影困難であった現場ほど「最高の映像」が記録されていることがある

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** テレビマンとして一番鍛えられた体験は? と聞かれたら、筆者は「海外ロケ体験」と答えるだろう。 確かに「大御所のピリピリする現場」だったり「早朝から深夜まで続くコントの収録」な…

<短絡的な新書に異議!>アスペルガー症候群の犯罪率が一般人より高いということは証明されていない

高橋秀樹[放送作家/日本自閉症協会・日本自閉症スペクトラム学会・日本社会臨床学会各会員] *** 井出草平氏の著書『アスペルガー症候群の難題』(光文社新書・2014)に反論する。 まずは、筆者の見解を冒頭に掲げたい。 アスペルガー症候群の人々が一…

<気になる公共「標語」>「いつもトイレをきれいに使ってくれてありがとうございます」は慇懃無礼?

水留章[テレビ番組制作会社 社長] *** 「何かをしよう」というのは、それをしていない時の言葉だと思います。「何かをするな」という言葉は、その行為が行われているときの言葉で、しかも「特にやって欲しくない場合」が多いのではないでしょうか。 当…

<ビートたけしの死生観>なぜ「たけし」はバイク事故の顔面のままで番組に出演したのか

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** 前回、前々回と、テレビ番組のプロデューサーとして筆者が体験し、驚かされた(?)「ビートたけし」のエピソードについて書きてきた。今回は全三回となる「ビートたけし論」のいよいよ…

<障害者夫婦の権力関係>脳性マヒ者たちのコミューン「マハラバ村」はなぜ崩壊したのか? 原一男 2014年10月27日(月) 0:05

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) 脳性マヒ者たちのコミューン「マハラバ村」が崩壊、解体へと突き進む。そのきっかけを作ったのが、他ならぬ「さようならCP」(1972)の主人公の一人・横田弘の夫婦だった。はっきり言…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑫『なんでそうなるの?』のコント55号

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはこちら) 大将(萩本欽一)と、坂上二郎さんは、昭和41年(1966年)に「コント55号」を結成する。 浅草松竹園芸場で名を売り、たちまち日劇の西田佐知子ショーに出演する。浅草から、日劇へのコース…

<義務教育を『数の論理』で試算するな>財務省が要求する「小中学校の統廃合と教員数の削減」が日本の未来を奪う

黒田麻衣子[徳島テレビ祭スタッフ] *** 財務省が、全国の小中学校の統廃合と教員数の削減を文科省に迫っています。「全国の公立小中学校をすべて標準的な規模に統廃合すると、5462校減らせる」という試算だそうです。 「少子化に伴う学校統廃合をさらに…

<TPPが日本固有の文化を破壊する>TPPの正当化は「芸能人の降板」を「卒業」と言うのと同じ「まやかし」 メディアゴン 編集部 2014年10月25日(土) 22:59

保科省吾[コラムニスト] *** 2014年10月23日付「朝日新聞」朝刊に、ラルフ・ネーダー(アメリカの弁護士/社会運動家)氏と、日本消費者連盟共同代表が「TPPは、消費者への深刻な脅威だ」と題する一文を載せている。要旨は以下の様なものである。 安心…

<関係者もファンも怒りが止まない>レース雑誌が表紙にF1日本グランプリの大事故の写真を使った

岩崎未都里[ブロガー] *** 今年のF1日本グランプリは、折からの台風接近による悪コンディションの中でのレースでした。レース前に7年ぶりのホンダF1復帰が正式発表、メルセデスの二人による熾烈な争いが話題に、可夢偉もケータハムで復帰、過去のトップ…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑪萩本欽一の師匠は鳩

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはこちら) 大将(萩本欽一)が言う。 「僕の師匠は、しいて言えば鳩だなあ」 もちろんこれは大将の諧謔で、「鳩をよく見ろ」。鳩だけでなく何でも観察しろということだ。僕は今大学院で、行動分析学と…

出来レースの「矢口真里の復帰」番組を「独占」と誇らしげに放送したことに疑義

榛葉健[ テレビプロデューサー/ドキュメンタリー映画監督] *** 自宅で不倫を起こして謹慎していたタレント・矢口真里さんが芸能活動を再開するとする、“独占”と称するインタビュー。 10月23日に読売テレビの日本テレビ系列のワイドショー「ミヤネ屋」…

<最近の新番組が「新しくない」理由>テレビ番組から「いい加減なプロデューサー」が減ってきた

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** ここ十年ほど、「今までなかったような新しい新番組」が出来なくなっている。「新番組」といってもどこかで見たことがあるような番組ばかりが並ぶ。 なぜなのか? 原因は企画を考える方にあるのではなく、…

<「日本人全員大卒」は理想なのか>高卒就職を魅力あるものにすることも大人の責任

高橋秀樹[放送作家] *** 2014年10月15日の朝日新聞が「大学進学率 地域差が拡大」と題する記事を報じた。これによれば、平均大学進学率53.1%。東京の大学進学率が72%で最高。40%未満の県は青森、岩手、大分、宮崎、最低は鹿児島の32.1%である。 こ…

<テレビは「ミニ番組全盛の時代」へ>日曜の夜にタモリがバーのママ・宮沢りえと共にやってきた

影山貴彦[同志社女子大学 教授/元・毎日放送 プロデューサー] *** 待ってました!と申し上げたい。 フジテレビ系の新番組「ヨルタモリ」が、19日スタートした。1回目の放送終了後、「これから毎週欠かさず観よう」と強く決意したとともに、万全を期す…

<なぜ「女性閣僚」と報道するのか?>「女性」閣僚辞任という報道が女性の社会進出を妨げる

水野ゆうき[千葉県・我孫子市議] *** 現役の女性政治家としては至極残念な結果となった第二次安倍改造内閣。政界での「男性社会」が根強い中、過去最多「5人の女性閣僚」の登用は賛否両論に晒されたとはいえ、期待も大きかったのは間違いない。 筆者自…

<声優・寺瀬今日子氏に聞く>声優の技術はビジネスにも役立つことも満載

尾藤克之[経営コンサルタント] *** いまや人気職種ともいえる声優ですが、その仕事内容はあまり知られていません。声優業界で生き残るために、なにが必要なのか。今回は、声優・ナレーターとして、「とくダネ!」(フジテレビ系)のナレーションをはじ…