<ファストファッションの正体?>ファスト化しないベイクルーズが急成長の理由 - 藤本貴之

藤本貴之東洋大学 教授・博士(学術)/メディア学者]

 

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近年、「究極的なアパレル不況」と言われている。大手、準大手とされる有名なアパレル企業が軒並み赤字を計上し、倒産や撤退も珍しくない。

 

アパレル各社が苦しむ中、ユニクロH&M、Forever21、ZARAといったいわゆる「ファストファッション」は世界的に好調だ。原宿・新宿などは言うまでもなく、ファッション街の中心は、どこもファストフッションの巨大店舗で占められている。

 

1000円、2000円で購入できる洋服が店を飾り、「短期的消耗品」としての服ばかりが売れる。「数百円のシャツ」という目を疑うような価格帯も少なくない。それは昭和40年代の特売価格をも下回る。

 

そのような現状が日常化している今日、これまでごく当たり前のように販売されてきた「標準的な価格帯の衣服(1万円前後~)」を販売する多くのメーカー、ブランド、販売店が苦境にあえいでいる。Tシャツ1枚が数万円もするような高級ブランドならまだしも、ファストファション登場以前(しかも今よりも物価が低い)ではごく当たり前に流通してきたファッションが「高い」を理由に売れないのだ。【続きはコチラ・・・】