2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

<「ヒーロー不在」の平成>映画監督として「描きたい主人公に出会えない」絶望的状況

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) 1968年の新宿騒乱。その渦中にいて、機動隊に投石ができなかった自分の臆病さ、軟弱さをイヤというほど思い知った私・原一男。その「臆病さ」を克服するには、どうすればいいか? 自…

<テレビ番組のカースト制>テレビ局に「ワイドショー」の現場から「社長」になった人はいない?

高橋秀樹[放送作家] *** 以前、「電通が儲かるスポーツ番組と最下層カーストの情報ワイド番組」という記事でも書いたが、今も昔もテレビ番組の種類には、厳然たる身分制度、カーストがある。 端的に言えばテレビ番組のカースト制とは、 報道・ドキュメ…

<原発停止で電気料金値上げ>停止中の東北電力・女川原子力発電所に行ってみた

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 現在停止中の東北電力・女川原子力発電所の設備容量は、1号機52.4万kW、2号機82.5万kW、3号機82.5万kWの計217.4万kW。これで、ほぼ宮城県全体(人口233万人)の電気を賄うことができる。筆者は、そん…

<辞めた理由は「テレビがつまらなくなったから」>有能なディレクターは「不必要なモノにかける努力」に徒労した

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** 情報を上手に生かしている番組は珍しい。 そのネタに対して知識のない人に、「これ知ってますか?」と教えるような情報の出し方しか知らなければ、おのずと番組の作り方は限定されてしまう。知識のある人…

<何のための選挙?>争点なき選挙は盛り上がらない。盛り上がらない選挙は「民意」を反映しない。

保科省吾[コラムニスト] *** 内閣府が11月17日発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算でマイナス1.6%。2期連続のマイナス成長になった。 つまり、消費税を10%にアップするのは性急であるという結論は、ほぼでたことになる。それにもか…

<デジタルサイネージ広告って本当のイイの?>2015年秋からの新型JR山手線で「中吊り広告」が撤廃

岩崎 未都里[ブロガー] *** メディアやテレビ関係には、「アノ、名プロデューサー様が?!」といった人が、意外にも「電車移動好きな方」が多くて驚かされます。「鉄道好き」で有名なタモリさんも、「笑っていいとも!」が終了したおかげで「昼前のJR山…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑳「コントはこうやって思いつく」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 僕が大将(萩本欽一)に聞く。 「30年位前ですけど、大将に、すごく素人みたいな質問ですけど、コントはどうやって思いつくんですかって聞いたことがあります」 「俺、なんて答えた?」 「…

<風力発電は机上の空論>日本をすべて風力発電にすると国土の11分の1が風車で埋まる

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 2011年3月の東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故以来、原発をゼロにして、代わりに自然エネルギー(再生可能エネルギー)を!とあちこちで叫ばれている。 最もよく挙げられるのが…

1968年「新宿騒乱」で機動隊に投石できなかった臆病こそ「原一男映画」の原動力

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) このコラムは「ドキュメンタリーを巡る様々な課題を考えてみよう」と書き始めたが、角度を変えて続けたい。ここからは、筆者・原一男の自己史とも重なってくる。 筆者が少年時代を過…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑲「浅草軽演劇」と「吉本新喜劇」と「松竹新喜劇」の関係

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 「三宅裕司さんにね、軽演劇って言うと、どういうイメージって聞いたことがある。三宅さんは『なんでもあり』だって」 と大将(萩本欽一)が言う。三宅裕司さんは、浅草喜劇の流れを組む伊…

<東京キー5局に女性役員が一人もいないのはなぜ?>「女というものは」「男というものは」という考えに潜む間違い

高橋秀樹[放送作家] *** 「女というものは」とか「男というものは」という言い方がある。こうしたグループ分けには非常に「恣意的なモノ」がある。「使用者の都合の良さ」だけを考えて使っているからだ。 「グループ分け」は、「分けるサイズ」が大きけ…

<前・兵庫県知事の貝原俊民氏が死去>阪神・淡路大震災の創造的復興に尽力した隠された真実

榛葉健[ テレビプロデューサー/ドキュメンタリー映画監督] *** 11月13日、阪神・淡路大震災の時に、被災地のリーダーとして尽力した前・兵庫県知事の貝原俊民さんが、突然の交通事故で亡くなった。 氏の経歴を改めて確認しようとウィキペディアを見て…

「仕事を持ち、結婚し、夫と子供の両方を養う女性」と「結婚して、仕事を辞めて、子育てをする男性」

保科省吾[コラムニスト] *** 「誰かが言わねば」というウェブサイトがある。先日、そこに興味深い論考が掲載されたので、要約しながら引用したいと思う。 <以下、要約引用> 結婚しない人が増えた原因のひとつが見過ごされている。現在の日本で「結婚…

<ドラマ「ファーストクラス」は復活するか?>ファッション業界ドラマの面白さは「マウンティング」

岩崎未都里[ブロガー] *** 水曜22時のフジテレビドラマ『ファーストクラス2』が色々な意味で話題です。裏番組のテレビドラマである日本テレビ『きょうは会社休みます。』と対比され、 「『沢尻エリカ VS 綾瀬はるか』は綾瀬の圧勝」 ・・・と言われてい…

<パロディの条件>ナイナイ・岡村隆史にはもう出来ないが、爆笑問題・太田光にはまだできる

高橋秀樹[放送作家] *** 「パロディ」を作る時には「2つの鉄則」がある。 コメディアンがパロディを作る時は、「自分より価値や評価が大きい物」に向かっていかないと価値がない。価値がないばかりか、「面白くない」。これが鉄則その①。 パロディは「…

<「たまたま偶然」こそテレビの特性②>たまたま見た!上川陽子法相の棒立ち・狂犬化した安倍首相

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** 「たまたま偶然」にテレビで目撃した番組で、「たまたま偶然」目撃したかショッキングなシーンについて書きましたが、今回は「たまたま偶然」に見てしまったNHK国会中継での話。 お恥ずかしい話です…

<ニコニコ動画と巨神兵>テレビでもネットでも「あなどれない素人パワー」

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** 「未経験者にすべてを託したほうが成功率は高いのか?」 「プロ・経験者に任せた方が成功率は高いのか?」 これは、何を任せるかによって全く違うと思うのだが、筆者の経験から言うと、…

<知識を得ると娯楽作品が楽しめない>弁護士はゲーム「逆転裁判」や小説「半落ち」の粗が気になる

高橋維新[弁護士] *** 「逆転裁判」(カプコン)というゲームがある。 弁護士になったばかりの新人弁護士の主人公が、「身に覚えのない罪で裁判でピンチに陥っている依頼者」を助けるという法廷ゲームである。舞台は、ちょっと「近未来」の日本。法廷ゲ…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑱突然笑いの特訓になって冷や汗「徳川初代将軍は家康

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 2週間、間があいての訪問である。二階の居間に上がると大将(萩本欽一)は突然、僕に聞いた。 「徳川初代将軍は家康、8代は吉宗、じゃ9代は?」 こういう時は間を入れずに答えなければならな…

<知っておくべき「就活の本質」>片っ端からエントリーをして、エントリーシートもコピペしろ!

尾藤克之[経営コンサルタント] *** 多くの就活本には、内定を取得する手段として「エントリーする企業数を絞る」ことが書かれています。これに呼応するように大学などのキャリアセンターでも同じような指導をしているようです。しかし、まずこれはやめ…

フジテレビ『ファーストクラス』が、日本テレビ『きょうは会社休みます。』よりも魅力がない理由

黒田麻衣子[徳島テレビ祭スタッフ] *** 1stクールでは、徐々に視聴率を上げてきた『ファーストクラス』(フジテレビ)。しかしながら、2ndシリーズとなる今クールでは、強敵『きょうは会社休みます。』(日本テレビ)が同時刻に裏で放送されていること…

<「役立つ番組」の氾濫は制作者の怠慢>なぜ、情報に依存するテレビ番組が増えたのか?

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** フジテレビの「ヨルタモリ」(日曜日・23:15〜23:45)が話題になっている。 最近では珍しい安易に情報に依存しない新番組だ。かといって悪乗りでも、暴露でもない。芸とセンスがあれば情報に依存しなくて…

<原発停止が招く電気料金の値上げ>北海道民のおカネが「1日6億円」も海外に流出し続ける!

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** (本記事の内容は、11月12日[水]12時30分からのニコニコ生放送『石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.23』にて放送致します(※http://live.nicovideo.jp/watch/lv199396743) 九州電力・川内(せん…

<「たまたま偶然」こそテレビの特性>たまたま見た浅沼稲次郎の暗殺と加藤茶の「ヘン」

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** テレビを視ていると偶然「すごいシーン」に出くわすことがあります。「視よう」と思ってチャンネルをあわせていたわけでもないのに、驚くようなシーンを「たまたま視てしまった」経験が最近もありま…

<簡易診断>あなたは高視聴率がとれるか?30項目のチェックリスト

高橋秀樹[放送作家] *** 放送作家として長年やってきた経験から、「バラエティや情報・報道番組で視聴率を取れるか?」を診断するチェックリストを作ってみました。 以下の30項目をチェックをしてみてください。あなたはいくつぐらい当てはまりますか?…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑰笑いの「間」は「0.5」と「1」と「2」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 「笑いの『間』って、教えられるものじゃないんだけど、なんとか分かってもらおうと思って僕は考えた」 と、大将(萩本欽一)が言う。 「僕もわかりません、教えてください」 「演者で勘の…

<どうなる?日本の視聴率調査>米ニールセンが2015年からパソコン・スマホ・ゲーム機などでの「デジタル視聴率」調査を開始

メディアゴン編集部 *** アメリカのテレビ視聴率調査会社ニールセン(Nielsen)は、2014年10月21日(現地時間)に、その公式ホームページで、アドビ社(Adobe)の技術を使用して、テレビモニター以外の、「タブレット」「パソコン」「スマホ」「ゲーム機…

<漫画『がきデカ』の面白さって何だ?>『がきデカ』以前・以後ではギャグ漫画のココが違う

高橋維新[弁護士] *** 『がきデカ』(週刊少年チャンピオン・1974〜1980)というギャグ漫画がある。「山上たつひこ」の一大傑作である。 筆者の見立てでは、ギャグ漫画の世界に(舞台喜劇仕込みの)「ツッコミ」という手法を大々的に導入した初めての漫…

<ワールドシリーズを制した「ジャイアンツ」に想う>アメリカ・メジャーリーグは「無数の筋書きのないドラマ」が魅力

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 今年のアメリカ「ワールドシリーズ」を制した「ジャイアンツ」は、現在はサンフランシスコに定着したチームだが、もともとはニューヨーク(以下「NY」)から移転してきたチームである…

<映画「さようならCP」の見えざる敵?>「健全者幻想」は「差別される側」からは「甘美」に見える

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) 『さようならCP』(1972)の主人公で「脳性マヒ者(以下、CP)」でもある「横田弘」も「横塚晃一」も、とても頭のいい人なので“真綿が水を吸い込むように”私の言いたいことを感じ取っ…