2014-01-01から1年間の記事一覧

<知識を得ると娯楽作品が楽しめない>弁護士はゲーム「逆転裁判」や小説「半落ち」の粗が気になる

高橋維新[弁護士] *** 「逆転裁判」(カプコン)というゲームがある。 弁護士になったばかりの新人弁護士の主人公が、「身に覚えのない罪で裁判でピンチに陥っている依頼者」を助けるという法廷ゲームである。舞台は、ちょっと「近未来」の日本。法廷ゲ…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑱突然笑いの特訓になって冷や汗「徳川初代将軍は家康

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 2週間、間があいての訪問である。二階の居間に上がると大将(萩本欽一)は突然、僕に聞いた。 「徳川初代将軍は家康、8代は吉宗、じゃ9代は?」 こういう時は間を入れずに答えなければならな…

<知っておくべき「就活の本質」>片っ端からエントリーをして、エントリーシートもコピペしろ!

尾藤克之[経営コンサルタント] *** 多くの就活本には、内定を取得する手段として「エントリーする企業数を絞る」ことが書かれています。これに呼応するように大学などのキャリアセンターでも同じような指導をしているようです。しかし、まずこれはやめ…

フジテレビ『ファーストクラス』が、日本テレビ『きょうは会社休みます。』よりも魅力がない理由

黒田麻衣子[徳島テレビ祭スタッフ] *** 1stクールでは、徐々に視聴率を上げてきた『ファーストクラス』(フジテレビ)。しかしながら、2ndシリーズとなる今クールでは、強敵『きょうは会社休みます。』(日本テレビ)が同時刻に裏で放送されていること…

<「役立つ番組」の氾濫は制作者の怠慢>なぜ、情報に依存するテレビ番組が増えたのか?

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** フジテレビの「ヨルタモリ」(日曜日・23:15〜23:45)が話題になっている。 最近では珍しい安易に情報に依存しない新番組だ。かといって悪乗りでも、暴露でもない。芸とセンスがあれば情報に依存しなくて…

<原発停止が招く電気料金の値上げ>北海道民のおカネが「1日6億円」も海外に流出し続ける!

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** (本記事の内容は、11月12日[水]12時30分からのニコニコ生放送『石川和男のエネルギー世論を斬る!vol.23』にて放送致します(※http://live.nicovideo.jp/watch/lv199396743) 九州電力・川内(せん…

<「たまたま偶然」こそテレビの特性>たまたま見た浅沼稲次郎の暗殺と加藤茶の「ヘン」

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** テレビを視ていると偶然「すごいシーン」に出くわすことがあります。「視よう」と思ってチャンネルをあわせていたわけでもないのに、驚くようなシーンを「たまたま視てしまった」経験が最近もありま…

<簡易診断>あなたは高視聴率がとれるか?30項目のチェックリスト

高橋秀樹[放送作家] *** 放送作家として長年やってきた経験から、「バラエティや情報・報道番組で視聴率を取れるか?」を診断するチェックリストを作ってみました。 以下の30項目をチェックをしてみてください。あなたはいくつぐらい当てはまりますか?…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑰笑いの「間」は「0.5」と「1」と「2」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 「笑いの『間』って、教えられるものじゃないんだけど、なんとか分かってもらおうと思って僕は考えた」 と、大将(萩本欽一)が言う。 「僕もわかりません、教えてください」 「演者で勘の…

<どうなる?日本の視聴率調査>米ニールセンが2015年からパソコン・スマホ・ゲーム機などでの「デジタル視聴率」調査を開始

メディアゴン編集部 *** アメリカのテレビ視聴率調査会社ニールセン(Nielsen)は、2014年10月21日(現地時間)に、その公式ホームページで、アドビ社(Adobe)の技術を使用して、テレビモニター以外の、「タブレット」「パソコン」「スマホ」「ゲーム機…

<漫画『がきデカ』の面白さって何だ?>『がきデカ』以前・以後ではギャグ漫画のココが違う

高橋維新[弁護士] *** 『がきデカ』(週刊少年チャンピオン・1974〜1980)というギャグ漫画がある。「山上たつひこ」の一大傑作である。 筆者の見立てでは、ギャグ漫画の世界に(舞台喜劇仕込みの)「ツッコミ」という手法を大々的に導入した初めての漫…

<ワールドシリーズを制した「ジャイアンツ」に想う>アメリカ・メジャーリーグは「無数の筋書きのないドラマ」が魅力

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 今年のアメリカ「ワールドシリーズ」を制した「ジャイアンツ」は、現在はサンフランシスコに定着したチームだが、もともとはニューヨーク(以下「NY」)から移転してきたチームである…

<映画「さようならCP」の見えざる敵?>「健全者幻想」は「差別される側」からは「甘美」に見える

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) 『さようならCP』(1972)の主人公で「脳性マヒ者(以下、CP)」でもある「横田弘」も「横塚晃一」も、とても頭のいい人なので“真綿が水を吸い込むように”私の言いたいことを感じ取っ…

<特撮コンテンツはビッグビジネス>「ハリウッド版ウルトラマン」は日本人の手で

岩崎未都里[ブロガー] *** 特撮ドラマ「ウルトラマン」(1966・TBS)は親子二世代に愛される息の長い作品であることを、前回の記事で力説(?)しましたが、ウルトラマンと同じ1966年にアメリカで放映開始された特撮ドラマ「スタートレック」も実は、と…

<本フェチにはマネできない?>増殖する蔵書を「本棚一本」以上に増やさないテクニック

水留章[テレビ番組制作会社 社長] *** 2014年11月7日の新聞で、「月額500円でたくさんの雑誌がバックナンバーに限るがすべて読み放題」と言う電子書籍サービスがとても好評得ていると言う記事を読んだ。電子書籍普及の起爆剤にもなろうかという話である…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑯明石家さんまと三木のり平は優れたコメディアンである。

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 大将(萩本欽一)は三木のり平さんのことを「のり平先生」と呼ぶ。師と仰いでいるのである。のり平さんと大将の最初の接点は、おそらく「日劇」であるが、正確なところは聞き漏らしている。…

<国による倫理観の押し付けに異議>「道徳」の「特別教科化」を決めた委員はこんな人たち

高橋秀樹[放送作家] *** 2014年10月22日(2014年)、中央教育審議会(中教審)の答申で「道徳」の「特別教科化」が事実上決定した。現在「教科外活動」の小中学校道徳に検定教科書、学習評価という要素が新たに付け加えられる。 教科の性質上、数値での…

<日本のテレビ局の仕事と仕組み>テレビ局志望の就活学生が知っておきたいテレビ事情

貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー] *** 日本のテレビ局は「マスコミ(報道)」「広告(営業)」「芸能(制作)」という「3つの産業」が重なる業態です。テレビ局には「ステーション機能」と「プロダクション機能」があります…

米ワールドシリーズで故ロビン・ウィリアムズの子供たちが始球式

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 今年の秋は、筆者が代理人をしている野球選手がアメリカ・メジャーリーグ(MLB)の優勝決定戦である「ワールドシリーズ」に出場することになったので、サンフランシスコに行ってきた。…

<実態はただの無賃労働のことも?>学生の「不安と熱意」を悪用したインターンシップに注意

藤本貴之[東洋大学 准教授・博士(学術)] *** 大学生が一定期間、企業や組織、あるいは仕事の現場で「就業体験」をすることを目的とした「インターンシップ」。 大学の正規のカリキュラムとして作られ、運用されていることも珍しくない。大学生が社会…

<深夜0時、望月環境大臣の会見>扱いが小さくなることを狙う姑息なマスコミ対策に「卑怯だ」の声

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** 10月27日夜、「報道ステーション」(テレビ朝日)の終了間際のところで、古舘伊知郎はやや意気込んでこう伝えました。 「望月環境大臣がこのあと午前0時から緊急で会見を開くと発表しました。今入っ…

テレビ制作者に求められる「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」って何?

高橋秀樹[放送作家] *** 筆者は放送作家として作家事務所を主宰しつつ、テレビ制作会社も経営している。「テレビ文化を発展させられる作り手」になれる次世代のテレビマンの育成にできる限り尽力しているつもりだ。 そんな筆者の会社にも、毎年、テレビ…

<6.4兆円の負担増>「再生可能エネルギーの買い取り制度」で一般消費者の「電気料金」が上乗せ

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 太陽光や風力のような自然エネルギーは、「再生可能エネルギー」(再エネ)とも呼ばれる。再エネはコストが高いのでなかなか普及が進まない。 そこで、「再エネ」で発電された電気を電力会社が一定期…

<過酷な海外出張こそ財産>YouTubeの映像をつなぐだけで作れる海外映像番組?

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** テレビマンとして一番鍛えられた体験は? と問われれば、筆者は即座に「海外ロケ体験」と答える。国内外ロケ、特に海外ロケはディレクター・プロデューサーにとってテレビマンの技量を…

<『妖怪ウォッチ』と『ポケモン』の違い>『妖怪ウォッチ』は世代を超えたコンテンツになれるか?

八坂亮[ゲームクリエイター] *** 先日、都内の某ファーストフード店で食事をとっていると、ある事に気がついた。店内のそこかしこに「妖怪」がいるのだ。 といっても勿論、「本物の妖怪」ではない。現在、子ども達の間で大ブームを巻き起こしている『妖…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑮チャップリンは、何故、爆笑シーンをカットしたか。

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 当メディアゴン執筆者のお一人、ドワンゴの吉川圭三さん。明石家さんまさんの本を書こうとして、さんまさんに「活字はイメージを固定するからなあ」と言われたことを書いていた。その通りで…

<庵野秀明監督も魅了した「ウルトラマン」>特撮番組を「じゃり番」として格下に見るのはやめよう

岩崎未都里[ブロガー] *** 「次回から、『じゃり番』撮影なんだよね。やりたくないなぁ」 と番組制作会社勤務の友人が言ってきました。筆者は思わず以下のように聞きました。 「『じゃり番』って、日曜朝枠の子供向け『なんとかレンジャー』のことでし…

東大などが自閉症スペクトラムへの「オキシトシン経鼻スプレー」の治療効果の検証実験をスタート

高橋秀樹[放送作家/日本自閉症協会・日本自閉症スペクトラム学会・日本社会臨床学会各会員] *** 2014年10月30日、東京大学、名古屋大学、金沢大学、福井大学、文部科学省などが共同で、自閉症スペクトラムへの「オキシトシン経鼻スプレー」の治療効果…

<障害者が健常者にカメラを向ける>「撮る・撮られる」の固定した関係が生み出す「差別の構造」を壊す

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) 『さようならCP』(1972)の主人公の一人・横田弘の元に通って懸命に口説くが、容易に「うん」とは言わない。彼が、気易く、うん、と言わないのも無理はなかった。私の提案というのが…

<SM愛好者は成人の2%>民主党・菊田真紀子氏の「口にするのも汚らわしい」発言は傲慢の現れ

藤本貴之[東洋大学 准教授・博士(学術)] *** 10月28日の衆議院本会議での民主党・菊田真紀子氏の発言が物議をかもしている。 宮沢洋一経済産業相の資金管理団体が、交際費として「SMバー」に政治資金を支出してことへの批判演説であるが、物議の中心…