2014-01-01から1年間の記事一覧

<悪い素人と悪い編集>11月22日の放送で「めちゃ✕2イケてる」が犯した2つの間違い

高橋秀樹[放送作家] *** 11月22日土曜日放送のフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」(以下「めちゃイケ」)は、2つの間違いを犯していた。 1つ目は「素人の使い方」、2つ目は「編集の方針」である。 1つ目の「素人の使い方」の話から始めよう。11月22日…

<接客スキルを高めるヒント>接客業のノウハウは「現場の人間関係」がポイント?

尾藤克之[経営コンサルタント] *** 接客業は、お客様との距離感が難しい職種です。近すぎれば、「しつこい」と煙たがられ、遠ければ「サービスがなっていない」と叱責されます。今回は、接客スキルを高めるヒントを、研修講師の鍔木良子氏(以下、鍔木…

<青春に謝るTBS「ごめんね青春!」>宮藤官九郎が問いかける「青春」という恥ずかしい言葉の復権

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 世界には3種類の高校しかない。「男子校」「女子校」「共学」の3つである。 この明確すぎる3分類に比べたら、受験校か、スポーツ校か、お嬢さま学校か、悪ガキ校か・・・などは「しょ…

<足取りが丸一日違う謎>相模川・26歳女性死体遺棄事件の足取りとテレビの時間表記

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** 前回「報道マンもテレビ局志望の就活生も知っておきたいテレビ事情」について書きましたが、今回は興味深い実例について紹介してみたいと思います。 先日、神奈川県平塚市の相模川で発見された26歳女…

<佐藤可士和はデザイナーとは名乗らない>セブンイレブンのコーヒーメーカーを批判することの無意味さ

岩崎未都里[ブロガー] *** 「デザイナーっていう奴等、ろくな仕事しないから嫌いなんだよ」 とは、筆者の友人の言。 「あの、佐藤可士和ってデザイナーの作ったセブンイレブンのコーヒーメーカー、英語表記部分にテプラが貼られてるよ。英語表記がカッ…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(22)「スターはコント55号ではなく久米宏だ」その2

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 僕「大将(萩本欽一)が、沖縄で見かけたのが久米(宏)さんだったんですね」 「そう、久米ちゃん。名前は知らなかったけど。それで、沖縄のことは特に話さずに、プロデューサーの長谷部さん…

芸能スキャンダルが報じられない原因は「強くなりすぎた芸能プロダクション」

高橋秀樹[放送作家] *** かつて、フジテレビに『3時のあなた』(1968〜1988)というワイドショーがあった。 1968年から20年間に渡って生放送されたこの番組は、典型的な「主婦向けの番組」で、高峰三枝子、木元教子、山口淑子、久我美子、芳村真理、扇…

<深夜28時15分から教養番組>スゴい時間に放送される質の高い落語番組に期待

齋藤祐子[文化施設勤務] *** 「落語研究会」(TBS)という落語番組が深夜帯でやっていると聞いてさっそく見てみた。深夜28時15分、つまり翌日の早朝4時15分からの番組だ。これはもう深夜ではなく早朝でしょう、という時間帯。 自局のドラマやバラエティ…

<長寿番組の条件>日本テレビ「笑ってこらえて」の“ダーツの旅”はいかにして生まれたか?

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** 「笑ってコラえて」(水曜・日本テレビ)の「ダーツの旅」は、放送スタート時の1996年から18年も続いてる超長寿の人気コーナーだ。 所ジョージさんが「日本地図に投げたダーツ」が当た…

<インターフェロンは過去のものに>C型肝炎が「ほぼ100%」治癒の時代が到来

松井宏夫[医療ジャーナリスト] *** 「27年間、患者さんには良く頑張っていただいたと思います」 と、涙をこらえて言葉を漏らしたのは、「C型肝炎」の治療を行ってきた第一線の医師。 実は、C型肝炎治療はついに治る時代を迎えたのである。C型肝炎は1989…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産(21)「スターはコント55号ではなく久米宏だ」その1

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 『欽ドン!』『欽どこ』『欽曜日』という3つの番組が視聴率30%をはるかに超え、大将(萩本欽一)が「視聴率100%男」と呼ばれた頃、もうひとつ常時30%後半の数字をとったお化け番組があ…

芸能人マネージャー志望や俳優・タレント志望の若い人が「知っておきたい」芸能界事情

貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー] *** いわゆる「芸能人」をマネージメントする芸能プロダクションには、その設立経緯から、いくつかの系譜があります。音楽系事務所、劇団系事務所、モデル系事務所などです。 それぞれ日本…

<26時?テレビ業界の時間>報道マンもテレビ局志望の就活生も知っておきたいテレビ事情

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** いま、テレビ業界で「テッペン」と言えば「夜中の0時」のことです。時計の針が「テッペン」を指しているからでしょう。これを越えると「25時、26時」で、放送業界では24時を越えた時間が27時台ぐらい…

<「ヒーロー不在」の平成>映画監督として「描きたい主人公に出会えない」絶望的状況

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) 1968年の新宿騒乱。その渦中にいて、機動隊に投石ができなかった自分の臆病さ、軟弱さをイヤというほど思い知った私・原一男。その「臆病さ」を克服するには、どうすればいいか? 自…

<テレビ番組のカースト制>テレビ局に「ワイドショー」の現場から「社長」になった人はいない?

高橋秀樹[放送作家] *** 以前、「電通が儲かるスポーツ番組と最下層カーストの情報ワイド番組」という記事でも書いたが、今も昔もテレビ番組の種類には、厳然たる身分制度、カーストがある。 端的に言えばテレビ番組のカースト制とは、 報道・ドキュメ…

<原発停止で電気料金値上げ>停止中の東北電力・女川原子力発電所に行ってみた

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 現在停止中の東北電力・女川原子力発電所の設備容量は、1号機52.4万kW、2号機82.5万kW、3号機82.5万kWの計217.4万kW。これで、ほぼ宮城県全体(人口233万人)の電気を賄うことができる。筆者は、そん…

<辞めた理由は「テレビがつまらなくなったから」>有能なディレクターは「不必要なモノにかける努力」に徒労した

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** 情報を上手に生かしている番組は珍しい。 そのネタに対して知識のない人に、「これ知ってますか?」と教えるような情報の出し方しか知らなければ、おのずと番組の作り方は限定されてしまう。知識のある人…

<何のための選挙?>争点なき選挙は盛り上がらない。盛り上がらない選挙は「民意」を反映しない。

保科省吾[コラムニスト] *** 内閣府が11月17日発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算でマイナス1.6%。2期連続のマイナス成長になった。 つまり、消費税を10%にアップするのは性急であるという結論は、ほぼでたことになる。それにもか…

<デジタルサイネージ広告って本当のイイの?>2015年秋からの新型JR山手線で「中吊り広告」が撤廃

岩崎 未都里[ブロガー] *** メディアやテレビ関係には、「アノ、名プロデューサー様が?!」といった人が、意外にも「電車移動好きな方」が多くて驚かされます。「鉄道好き」で有名なタモリさんも、「笑っていいとも!」が終了したおかげで「昼前のJR山…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑳「コントはこうやって思いつく」

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 僕が大将(萩本欽一)に聞く。 「30年位前ですけど、大将に、すごく素人みたいな質問ですけど、コントはどうやって思いつくんですかって聞いたことがあります」 「俺、なんて答えた?」 「…

<風力発電は机上の空論>日本をすべて風力発電にすると国土の11分の1が風車で埋まる

石川和男[NPO法人社会保障経済研究所・理事長] *** 2011年3月の東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故以来、原発をゼロにして、代わりに自然エネルギー(再生可能エネルギー)を!とあちこちで叫ばれている。 最もよく挙げられるのが…

1968年「新宿騒乱」で機動隊に投石できなかった臆病こそ「原一男映画」の原動力

原一男[ドキュメンタリー映画監督] *** (これまでの連載はコチラ) このコラムは「ドキュメンタリーを巡る様々な課題を考えてみよう」と書き始めたが、角度を変えて続けたい。ここからは、筆者・原一男の自己史とも重なってくる。 筆者が少年時代を過…

<決定版・欽ちゃんインタビュー>萩本欽一の財産⑲「浅草軽演劇」と「吉本新喜劇」と「松竹新喜劇」の関係

高橋秀樹[放送作家] *** (これまでのインタビューはコチラ) 「三宅裕司さんにね、軽演劇って言うと、どういうイメージって聞いたことがある。三宅さんは『なんでもあり』だって」 と大将(萩本欽一)が言う。三宅裕司さんは、浅草喜劇の流れを組む伊…

<東京キー5局に女性役員が一人もいないのはなぜ?>「女というものは」「男というものは」という考えに潜む間違い

高橋秀樹[放送作家] *** 「女というものは」とか「男というものは」という言い方がある。こうしたグループ分けには非常に「恣意的なモノ」がある。「使用者の都合の良さ」だけを考えて使っているからだ。 「グループ分け」は、「分けるサイズ」が大きけ…

<前・兵庫県知事の貝原俊民氏が死去>阪神・淡路大震災の創造的復興に尽力した隠された真実

榛葉健[ テレビプロデューサー/ドキュメンタリー映画監督] *** 11月13日、阪神・淡路大震災の時に、被災地のリーダーとして尽力した前・兵庫県知事の貝原俊民さんが、突然の交通事故で亡くなった。 氏の経歴を改めて確認しようとウィキペディアを見て…

「仕事を持ち、結婚し、夫と子供の両方を養う女性」と「結婚して、仕事を辞めて、子育てをする男性」

保科省吾[コラムニスト] *** 「誰かが言わねば」というウェブサイトがある。先日、そこに興味深い論考が掲載されたので、要約しながら引用したいと思う。 <以下、要約引用> 結婚しない人が増えた原因のひとつが見過ごされている。現在の日本で「結婚…

<ドラマ「ファーストクラス」は復活するか?>ファッション業界ドラマの面白さは「マウンティング」

岩崎未都里[ブロガー] *** 水曜22時のフジテレビドラマ『ファーストクラス2』が色々な意味で話題です。裏番組のテレビドラマである日本テレビ『きょうは会社休みます。』と対比され、 「『沢尻エリカ VS 綾瀬はるか』は綾瀬の圧勝」 ・・・と言われてい…

<パロディの条件>ナイナイ・岡村隆史にはもう出来ないが、爆笑問題・太田光にはまだできる

高橋秀樹[放送作家] *** 「パロディ」を作る時には「2つの鉄則」がある。 コメディアンがパロディを作る時は、「自分より価値や評価が大きい物」に向かっていかないと価値がない。価値がないばかりか、「面白くない」。これが鉄則その①。 パロディは「…

<「たまたま偶然」こそテレビの特性②>たまたま見た!上川陽子法相の棒立ち・狂犬化した安倍首相

藤沢隆[テレビ・プロデューサー/ディレクター] *** 「たまたま偶然」にテレビで目撃した番組で、「たまたま偶然」目撃したかショッキングなシーンについて書きましたが、今回は「たまたま偶然」に見てしまったNHK国会中継での話。 お恥ずかしい話です…

<ニコニコ動画と巨神兵>テレビでもネットでも「あなどれない素人パワー」

吉川圭三[ドワンゴ 会長室・エグゼクティブ・プロデューサー] *** 「未経験者にすべてを託したほうが成功率は高いのか?」 「プロ・経験者に任せた方が成功率は高いのか?」 これは、何を任せるかによって全く違うと思うのだが、筆者の経験から言うと、…