<不安をかき立てる番組を好むテレビ>「超常現象、幽霊体験」でメディアが欲しがる答えは短絡的

石川幹人[明治大学情報コミュニケーション学部・教授] *** オウム事件以来(1995年5月、麻原彰晃教祖逮捕)急激に減ったとはいえ、毎年夏になると、テレビ番組の制作会社の方々から幽霊現象、幽霊体験についてのコメントを求められる。幽霊を科学的な研…

<エヴァからゴジラへ>庵野秀明監督が「日本版ゴジラ」で特撮文化への恩返し

岩崎未都里[学芸員・美術教諭] *** 4月1日のエイプリルフール? と思うほど、日本の特撮映画にとって革命的なニュースが舞い込みました。 話題になっていた新作「ゴジラ」(2016)ですが、脚本・総監督を アニメ「エヴァンゲリオン」の庵野秀明氏。監督…

<テレビの役割にカウンター・デモクラシーを>テレビ朝日・早河洋会長が古賀茂明氏を「あってはならない件」と切り捨て

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** テレビ朝日の早河洋会長が、3月31日の定例記者会見で次のように発言した。 「報道ステーション」の生放送において、元経済産業省官僚の古賀茂明氏が安倍政権のバッシングがあり、早河洋会長などの…

<新しい番組は「博打」>放送する必要がないほど低俗なNHKの番組とは、民放では絶対に成立しない斬新な番組である

小笠原英樹[構成作家] *** テレビの現場、すなわちテレビ番組とはどうやってできているのかを分かりやすく説明しましょう。 まずは企画を考えます。誰が? これは主に、テレビ局の社員(だいたい制作局にいる人です)、テレビ制作会社の社員、フリーの…

<もうテレビ局は関係ない?>30代〜40代の主婦の感覚は「NHKと、それ以外のチャンネル」である

福原フトシ[放送作家] *** 筆者はテニスサークルに通っているので、30代から40代の普通の主婦と話す機会が結構ある。そんな主婦達のテレビに対する認識は、「NHKとそれ以外のチャンネル」であることが最近わかってきた。 つまり、「このチャンネルで、…

<「報ステ」古賀氏降板はテレビ的な見世物?>「便利使い」され「使い捨て」られた古賀茂明氏

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 「報道ステーション」での、古舘伊知郎キャスターと、痛烈に安倍政権批判をする元経産官僚、古賀茂明氏とのやりとりが、物議を醸している。 古賀氏は官邸からのバッシングがあるため、テレビ朝日の…

<オリコンがチケットとCDのセット販売の合算集計を廃止>会いに行けなくなったアイドル川栄李奈が秘める「本当のアイドル」への可能性

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** AKB48の「会いに行けるアイドル」というキャッチコピーは実に巧妙な宣伝文句である。なぜならば、昔はアイドルは会いに行ったりできるものではなかったからである。 若き吉永小百合、キャンディー…

<ビブリオバトル(書評合戦)って何?>WEB時代だからこそ問いたいインターネット記事の「質」

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務] *** 以前から参加してみたいと思っていたビブリオバトル(「書評合戦」とでもいうのか)に参加してみた。 今回参加したビブリオバトルは、バトラーと呼ばれる参加者の前で、5分間の持ち時間で書評を発表する役割の人…

<テレビが狙う「コアターゲット」って何だ?>高齢者にはテレビを観てもらわなくても良い?というテレビ作り

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 今、テレビ局では「コアターゲット」という言葉が、よく語られる。テレビ局側が最もテレビを観て欲しいと思っている世代のことで、コアつまり中核は、男女とも15歳から59歳までの人々である。 なぜ、…

<立川流の次世代が円熟期>師匠・談志が30周年会をやった国立劇場で弟子・立川談春が「30周年の会」

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務] *** かつて師匠の立川談志が30周年の一人会を催した国立劇場で、立川談春(48歳)の30周年の会があるという。談志さんの30周年の会は、コロムビアからCDとして発売され、談志さんの芸の円熟する黄金期を記録すること…

野党全党首は、沖縄へ跳べ! 今こそ沖縄県知事へ連帯のアピールの時だ

山口道宏[ジャーナリスト] *** 統一地方選挙が始まる。さあ、出番だ、野党諸君。 今回は明らかに安倍政権に分が悪い。今も、サンゴを殺しているから。沖縄でのは、今選挙は、立候補者全員が、基地問題で不条理を強いられている沖縄県民の戦いにいかに共…

フジ月9ドラマ「デート〜恋とはどんなものかしら」最終回で脚本家・古沢良太の描いた「卒業」が素晴らしい

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** フジテレビの月9ドラマ「デート〜恋とはどんなものかしら〜」が大好評のうちに終わった。ヒットメーカー・古沢良太の脚本が冴えに冴えわたった。 理屈っぽく女子力ゼロの藪下依子(杏…

SMアイドル「フェッティーズ」がオウム三女アーチャリー・松本麗華「止まった時計」を読んでみたフェッティーズ[SMアイドル] *** オウム真理教による地下鉄サリン事件から20年が経ち、元教団代表・松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の三女、松本麗華さんが実名・顔出しで手記「止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記」(講談社)を3月20日に上梓した。 同書は、事件当時11歳だったアーチャリーが、父の逮捕後、唯一の「正大師」としての様々な問題に巻き込まれ、その後教団から離れ、文教大学に入学し、現実も心理

フェッティーズ[SMアイドル] *** オウム真理教による地下鉄サリン事件から20年が経ち、元教団代表・松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚の三女、松本麗華さんが実名・顔出しで手記「止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記」(講談社)を3月20日に…

さまぁ~ず・三村マサカズは「テレビは二流の媒体」と語り「企画重視」のテレビ局を批判できるのか?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 筆者は芸能人を畏怖している。演者・演出家としての萩本欽一さん。テレビマン・司会者としての大橋巨泉さん。コメディアン・役者としての明石家さんまさん。 もちろん、筆者が畏怖するのは、彼ら大…

<出来すぎたシナリオ?>「めちゃ✕2イケてる」三中元克のプロレス入門ドキュメンタリー企画に言いたい

高橋維新[弁護士] *** 2015年3月7日に放映されたフジテレビ「めちゃ×2イケてるッ!」(以下「めちゃイケ」)は、三中元克の「みちのくプロレス」での練習模様を描いたドキュメンタリーだった。 というのはまあ、表面上の話である。 東京でヘラヘラして…

<契約結婚の結末はいかに?!>東山紀之の好演が光る日本テレビ「◯◯妻」の魅力

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 日本テレビの水曜ドラマ「○○妻」(まるまるづま)。「家政婦のミタ」の遊川和彦脚本ということと、「○○」に何が入るか、という遊び心もくすぐるタイトルで期待された。 白無垢の柴咲コ…

<「本来自分にあるはずだと思う才能」って何?>有能なテレビ番組ディレクターにはどうやってなるのか

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** テレビ業界を目指してやってきた若者が、何の悩みもないまま有能なディレクターの育っていく、というようなことはまずない。一度は辞めようかと悩むものだ。辞めるというのは、会社を辞めてどこかに移るか…

<政治家の座右の銘を調べてみた>問題渦中の政治家はなぜかみんな「誠」が大好き

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー] *** かつて、酒に酔っての朦朧会見からボロボロになった夫・故 中川昭一議員が家を出る時に大声で、 「大丈夫! ガンバレ! 日本一!」 と声をかけた未亡人・現 中川郁子衆議院議員。夫が朦朧会見ならご…

<キワモノではない?SMアイドルに注目>「変態アイドル」を名乗るフェッティーズは「変態ではない」

フェッティーズ[SMアイドル] *** 先日、福井市議会において、ある市議が、競輪事業振興のために市が新年度開催する女子競輪「ガールズケイリン」について、その集客力に疑問を呈し「裸で走りゃ別」などとセクハラとも取れる発言をしたことがニュースを…

<漫才師というのは悲しい職業である>日本放送作家協会理事が又吉直樹『火花』を読んでみた

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 又吉直樹の「火花」(文學界・文藝春秋社)を読んでみた。 「文學界」などという純文学誌を買うのは何年ぶりのことであったろうか。又吉のデビュー中編という表紙の惹句を見たとたん手にとっていた…

人気作家とゴーストライターの葛藤を描くフジテレビ「ゴーストライター」の最終回に注目

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** フジテレビ火曜日のドラマ「ゴーストライター」は、人気作家役の遠野リサを演じる中谷美紀と、ゴーストライターを引き受ける作家志望の川原由樹を演じる水川あさみによる創作者の苦し…

<映画は予告編からが映画>「映画の予告編から私語厳禁」に賛成?それとも反対?

影山貴彦[同志社女子大学 教授/元・毎日放送 プロデューサー] *** 筆者は映画好きである。 映画館で喋っている人間がいると、必ず注意する。少々席が離れていても、該当者の近くまで足を運んで行き注意する。小さな声で、かつ最大の効果のある、けれど…

<今どきの企業が目指す社会貢献>本業の資源を活用して身近な社会の課題解決するための様々な取り組み

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務] *** 3月末といえば、企業の決算株主総会が花盛りだが、IR資料に書かれた社会貢献活動も昨今は少々面変わりしているようだ。一昔前は、熱帯雨林への植樹だとか、どこかに井戸を掘るだとか環境関係の活動が多かった。 …

<山手線デジタルサイネージの視認率75.7%>通勤電車内のデジタルサイネージで朝ドラを観る日も近い?

岩崎未都里[学芸員・美術教諭] *** 筆者はこれまでデジタルサイネージに関して、他国との比較も含めて、いろいろと記事を書いてきました。その理由はデジタルサイネージに強い可能性を感じていたからです。 2002年にJR東日本の山手線E231系で導入された…

<「仕事を紹介しない」が入社の条件?>作家養成講座では文筆家になれない本当の理由

高橋秀樹[放送作家] *** 筆者は、日本放送作家協会の主催する作家養成スクール「藤本義一・市川森一記念 東京作家大学」の講師に就任することとなった。先日、その入学希望者に対する模擬授業があった。筆者が講義するの科目は「Webライティング」であ…

<必要なものだけ残した無駄のない芸術>歌舞伎役者・坂東玉三郎が演出するダンス舞台「バラーレ」で目指したもの

熊谷信也[新赤坂BLITZ初代支配人] *** 歌舞伎役者・坂東玉三郎が演出するダンス舞台「バラーレ」を見た。 赤坂ACTシアターに登場したダンサーは日本を代表する「DAZZLE」(ダズル)というストリートダンス・パフォマーの若い男性9名。彼らは1996年の結…

「アメトーーク」は「何か褒めている回」はつまらなくて「何かをバカにしている回」がおもしろい。

高橋維新[弁護士] *** テレビ朝日「アメトーーク」は、回によって当たり外れが激しいという評判をよく聞く。 筆者が毎週「アメトーーク」を見るようになったのは2014年の年末スペシャルからだが、おおむね、当たり外れが激しい原因はつかめた。 まず、…

<一人で複数世代を演じる香川照之の独壇場>最終回直前!TBSドラマ「流星ワゴン」は香川照之を乗せてどこへ行く?

水戸重之[弁護士/吉本興業(株)監査役/湘南ベルマーレ取締役] *** 「あなたには、過去をやり直したいと思ったことがありますか?」 TBS日曜劇場「流星ワゴン」は、重松清の同名のベストセラー小説のドラマ化。「家庭とは?親子とは?」を問うファンタ…

<千葉県浦安市が「卵子凍結」に公的助成>少子化対策で「健康な女性の卵子の凍結保存」は順序が違う

山口道宏[ジャーナリスト] *** 千葉県・浦安市議会で先ごろ、卵子凍結の助成を決定した。その額は。3年間で9000万円だという。 将来の妊娠と出産に備え健康な女性の卵子を凍結保存するという施策だ。それを浦安市では、市内居住の20~34歳女性を対象に…

<TBS「ウロボロス」は禁断の場所>撮影の裏側をバラす副音声=「ウラバラス」がおもしろい

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** ドラマ本編に、出演者自身が「ツッコミ」を入れたり、撮影の裏話をしたりする声を副音声で流す手法は、実は先にフジテレビが『ファーストクラス』(2014/主演・沢尻エリカ)において、やっている。 『ファ…