<上司こそ歩み寄るべき?>「ゆとり世代」こそグローバル社会に通用する逸材世代だ

岩崎未都里[学芸員・美術教諭] *** 男性上司「まあ、上司の小言を聞くのも仕事のうちだから」 ゆとり世代部下「いや違いますけど」(と、ゆとり世代部下はビールを注がれるのを拒否。) (4月18日にKADOKAWAから刊行されたばかりの「言うほどじゃないけ…

<±2.5%誤差のある視聴率よりも正確?>統一地方選挙を「統計」でやったらどうなるだろう

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** いっそのこと、統計で選挙をやればいいのではないかと思う。4月12日の10知事選の平均投票率は47.14%と過去最低。初めて5割を下回った。 このていたらくなら、今「最強の学問」とか言われている統計…

<堺雅人は日野倫太郎をどう演じるのか>「Dr.倫太郎」が描くのは日本に30人しかいない絶滅危惧種となった精神分析家

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 本当に久しぶりに、テレビドラマを見る気になった。水曜夜10時、堺雅人主演の日本テレビ「Dr.倫太郎」である。なぜ見る気になったかは後ほど述べる。 俳優・堺雅人を筆者はずっと見てきた。テレビ…

<日本代表がワールドカップ4位に>プロを目指す「知的障がい者サッカー」の未来と課題

横田雄紀[東京都自閉症協会/著述業] *** ワールドカップの熱狂と落胆が一段落した昨年2014年8月のブラジルで、「もうひとつのワールドカップ」と呼ばれる大会が開催されたことは、あまり知られていない。 「INAS知的障がい者サッカー世界選手権大会」…

<現場を分からないプロデューサーたち>テレビ業界の人材不足が抱える粗製濫造プロデューサー問題

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** 4月になると新入社員が入って来る。すると良いテレビマンになるためには? ということを良く聞かれるようになる。 そう聞かれて考えてもみれば、これといった早道は無いような気がする。よく言われるのは…

<東京芸大への失敗からJR車掌へ>「東京駅開業100周年記念Suica」をデザインした常磐線の女性車掌

リチャード・ディック・ホークスビーク[古書店経営] *** 「東京駅開業100周年記念Suica」は、東京駅開業100周年の当日、昨年12月20日午前7時14分に同駅で発売したが、希望者が殺到。8090枚を売った午前9時40分、安全面から販売が打ち切られた。 このい…

聖マリアンナ医科大学の精神科医が「精神保健指定医」資格を不正取得

保科省吾[保科省吾] *** 何人たりとも他人の自由を束縛することはできない。ごく稀な例外は警察権力のおける犯罪者、船上における船長などである。ところがそのごく稀な例外である精神科医がとんでもないことを起こしていた疑惑が持ち上がった。 当該の…

<政治とは「まつりごと(祭り事)」である>争点というエンターテインメントなき選挙は盛り上がらない

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 選挙で「投票に行かない」のは「貸してある金はもういらない」といっているのと同じだと、筆者は思う。 なぜならば、有権者は「税金という形で多額の債権を政治家に貸し付けていると見なす」ことがで…

<ユルい承認を求める「いいね!」時代の批評>誰でもいきなり作りだし参加できる時代にふさわしい「新しい批評」

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務] *** 批評に必要な芸ってなんだろうとつらつら考えてみた。そう考えるにあたって、気になるエピソードが2つある。 ひとつは、かの淀川長治さんのTV映画の解説である。裏番組ではもっと彼好みの素敵な洋画がかかってい…

<労基法改悪に警鐘>いくら働いても残業代ゼロ?「1日8時間労働」の瓦解を目論む「残業代ゼロ」法案山口道宏[ジャーナリスト] *** かつて「名ばかり管理職」という言葉があった。 しかし、「管理職なら残業代を払わなくても済むから」といった構図はやがて露呈されたが、「だったらこれはどうか?!」ばかりに、悪しき政財界らの企ては続いている。 深刻な労働力不足を目前にして、貴重な労働力を大事にしないで何が「少子化対策」

山口道宏[ジャーナリスト] *** かつて「名ばかり管理職」という言葉があった。 しかし、「管理職なら残業代を払わなくても済むから」といった構図はやがて露呈されたが、「だったらこれはどうか?!」ばかりに、悪しき政財界らの企ては続いている。 深刻…

<スコアを伝えないゴルフ中継>テレビは63才の老プロゴルファー「ベン・クレンショー」最後のマスターズをどう伝えたか

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー] *** 同伴競技者の二人は最終パットをもう一人のプレイヤーにゆずりました。その短いパットがカップに収まるとパトロンと呼ばれる大観衆は誰もが立ち上がり、少なからぬ人は涙を浮かべながら長い間拍手を…

<賛成・反対の議論を続けながら推進する原発>「原発推進」と「脱原発」の議論はなぜ極論でしか意見を戦わせないのか?

小鷹昌明[南相馬市立総合病院・神経内科専門医/医学博士] *** 原発を再稼働させるとか、させないとかという議論に対して、福島県民のひとりである筆者は、非常に冷めた目で見ている。 まずもって言えることは、「原発推進」、「脱原発」という議論をさ…

<ワイドショーこそがテレビの本質>なぜワイドショーの「立てこもり事件」の生中継は視聴率を稼ぐのか?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 筆者はこれまで放送作家として、笑い、バラエティ、トーク、対談、批評、報道、ドキュメンタリー、クイズ、歌、アニメ、人形劇、教育、子供、ギャンブル、スポーツ、ドラマ、そしてワイドショーと…

<2015年春のドラマ一挙案内・金曜/土曜編>「アルジャーノンに花束を」「天使と悪魔」「不便な便利屋」「ドS刑事」「64」

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** 4月から続々と始まっている各局のテレビドラマ。ドラマ好きのアラフォー女である著者が、今期の地上波のドラマをチェックしてみました! 第3回目の今回は、金曜日・土曜日放送分です。 ◼︎TBS系22:00~(4月…

<芸能人のリスクを負わない芸能人>女子アナを見ているとなぜ「腹が立つ」のか?

藤本貴之[東洋大学 准教授・博士(学術)/メディア学者] *** 社会には一定層「女子アナ嫌い」とされる人たちが存在しているように思う。一般的には「憧れの職業」「彼女にしたい職業」とされる女子アナであるが、マツコ・デラックス氏のように、公然と…

<池上彰とマツコ・デラックスの使いやすさ>歯に衣着せぬように見せて、放送局が困らない程度のコメントをする技術

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 池上彰氏とマツコ・デラックスはいまテレビの寵児である。ナゼ、こんなにテレビ界が彼らを重用するのか。視聴率が取れるからである。では、ナゼ視聴率が取れるのか。そこには2人に共通する理由と個…

<原発に一番近い病院に勤務する医師の視線>風化が進む「これからの福島」をメディアはどう伝えてゆくべきか?

小鷹昌明[南相馬市立総合病院・神経内科専門医/医学博士] *** 筆者は19年間勤め上げた大学病院を、東日本大震災を契機に辞した。次の勤務先として、福島県南相馬市の総合病院を選んだ。 つまり、ここは原発からもっとも近い病院である。そこで私は、医…

<テレビ制作者の意欲を削がないテレビ評>ナンシー関のテレビ評論はなぜ、かくも番組の「核心」を突いていたのか?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** ナンシー関(1962〜2002)が居たから、バラエティ番組は面白かったのではないか、と思うことがよくある。 消しゴム版画家、不世出のテレビ評論家、ナンシー関さん。1980年後半からテレビ評を書き始…

フジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」の「細かすぎて伝わらないモノマネ」はもう見限る潮時

高橋維新[弁護士] *** 4月2日のフジテレビ「とんねるずのみなさんのおかげでした」は「男気ジャンケン」と「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の2本立てであった。 「男気ジャンケン」については、何回もやっていることからすると人気のある企画な…

<中居正広「金スマ」が清原和博を浮き彫り>報道やドキュメンタリーでも追えない現在進行形の清原の事実を描く

貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー] *** 4月3日放送のTBS「中居正広のキンスマ~野球人・清原和博は今」は、清原和博が一年ぶりのテレビ出演で本人が現在の心境を語った。ドキュメントと再現ドラマで、毀誉褒貶ある野球界のス…

<報ステ降板問題>番組の都合を無視した古賀氏、外部圧力はない踏ん張るテレビ朝日、その意に沿って説明を繰り返した古舘氏

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー] *** 3月27日(金)のテレビ朝日「報道ステーション」での古舘伊知郎氏と、この日最後の出演となったコメンテイター・古賀茂明氏のやり取りが話題となっています。筆者はたまたま生で視ておりましたが様々…

<「クローズアップ現代」やらせ疑惑に「バンキシャ!」の誤報>不祥事があっても番組が打ち切りにならない理由を考える

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 調査報道は「報道の華」である。 報道には、省庁や、都道府県庁、警察・検察の発表、企業からリークなどをタダ垂れ流す発表報道、これらに独自取材を加えて踏み込んだもの、などがあるが、「調査報…

<2015年春のドラマ一挙案内・木曜編(1)>日テレ「恋愛時代」、フジ「医師たちの恋愛事情」

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** 4月から続々と始まる各局のテレビドラマ。ドラマ好きのアラフォー女である著者が、今期の地上波のドラマをチェックしてみました。第二回目の今回は、木曜日放送分の第一弾をご案内。 ■ 日本テレビ系23:59~…

<「めちゃイケ」は子供にウケる番組を作りたいのか?>プロが素人を笑わせる番組ではなくなった「めちゃ×2イケてる」に失望

高橋維新[弁護士] *** 4月4日のフジテレビ「めちゃ×2イケてる」(以下、めちゃイケ)は3時間特番だった。メインコンテンツは「テスト」である。 テスト企画は「めちゃイケ」がよくやる天然ボケを嗤うタイプの企画である(他の例としては、「歌へた」が…

<4月3日朝の情報ワイド番組は各局が盛り上り>上西小百合議員旅行疑惑・上重聡アナの1億7千万円無利息融資・NHKやらせ問題

両角敏明[テレビディレクター/プロデューサー] *** 平日朝8時は民放各局が情報ワイド番組を並べています。日本テレビ「スッキリ!!」、TBS「白熱ワイド ビビット」、テレビ朝日「モーニングバード」、フジテレビ「とくダネ!」です。4月3日はそれぞれが…

<失われゆくテレビの醍醐味>ビートたけしをつまらなくしているのは安住アナ?

高橋秀樹[放送作家/日本放送作家協会・常務理事] *** 小学館「SAPIO(サピオ)」5月号の特集は「誰がテレビを殺したのか」。 佐野眞一さんの名著「だれが『本』を殺すのか」(2001)の本歌取り。佐野さんの著書では「本」は、まだ危篤状態という扱いだ…

<2015年春のドラマ一挙案内・水曜編>「心がポキッとね」「Dr.倫太郎」「警視庁捜査一課9係」

黒田麻衣子[国語教師(専門・平安文学)] *** 4月から続々と始まる各局のテレビドラマ。ドラマ好きのアラフォー女である著者が、今期の地上波のドラマをチェックしてみました。第一回目の今回は、水曜日放送分について書いてみたいと思います。 ■ フジ…

サザンオールスターズが10年ぶりのアルバム「葡萄」をひっさげて「ミュージックステーション3時間SP」でテレビへの恩返し

貴島誠一郎[TBSテレビ制作局担当局長/ドラマプロデューサー] *** サザンオールスターズは偉大だ。桑田佳祐は偉大だ。 4月3日の「ミュージックステーション3時間スペシャル」(テレビ朝日)を見て、改めてそう思いました。19時から始まった生番組の11組…

<ゲームクリエイターもハマらせる渾身のリズムゲーム>「シアトリズムドラゴンクエスト」はあの頃の思い出に戻れるタイムマシン

八坂亮[ゲームクリエイター] *** 最近、筆者の休み時間は「ニンテンドー3DS漬け」である。何を遊んでいるかと言うと先日発売された「シアトリズムドラゴンクエスト」(以下、シアトリズムDQ)。このゲームが、とにかく面白い! そりゃあもう、どっぷり…

<今のテレビは更新されないミシュランガイド?>グルメ番組がいつも同じ高級すし屋を紹介する理由

高橋正嘉[TBS「時事放談」プロデューサー] *** 食のエンターテインメント雑誌とも言うべき「ミシュランガイド」は良くできている。三ツ星を取ったレストランにはぜひ一度入ってみたいと思う人はたくさんいるはずだ。 ひとつ星でも良い、フランス料理や…