<自閉症をテーマにした映画への危惧>映画『シンプル・シモン』はアスペルガー症候群の一例にすぎない

高橋秀樹[放送作家/東京自閉症協会・日本自閉症スペクトラム学会・日本社会臨床学会各会員]

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アスペルガー症候群の青年を主人公にした映画『シンプルシモン』。この映画は良く出来ている。しかしながらその反面、こうした映画を観るたびに、筆者は一抹の不安を、抱かざる得ない。

 

自閉症スペクトラムを描いた先行映画の筆頭は1988年公開、第61回アカデミー賞ダスティン・ホフマントム・クルーズ主演の『レインマン』(原題: Rain Man)であることに異論はないだろう。ダスティン・ホフマンが、施設に入所する重度の自閉症スペクトラム者を演じた。トム・クルーズは、健常者で実の弟役である。

 

ダスティンが発現する自閉症の様態は、以下の様なものである。・・・・[続きはコチラ]