<ユルい承認を求める「いいね!」時代の批評>誰でもいきなり作りだし参加できる時代にふさわしい「新しい批評」

齋藤祐子[神奈川県内公立劇場勤務]

 

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批評に必要な芸ってなんだろうとつらつら考えてみた。そう考えるにあたって、気になるエピソードが2つある。

 

ひとつは、かの淀川長治さんのTV映画の解説である。裏番組ではもっと彼好みの素敵な洋画がかかっている時でも、それを知っているだろうはずの淀川さんはいつだって、今から自分が解説する「この○○映画劇場の今週の映画が世界で一番面白い」と信じているみたいに、その映画の見どころを一生懸命語っていた。

 

かといって、それを嘘くさいと思う人もなく、淀川さんの映画というものすべてに対する愛情を感じて、だからあれだけ淀川さんの名調子そのものを愛する映画ファンだっていたのだ。【続きはコチラ・・・・】